唐津市と日本蓄電池が結ぶ地域防災力向上の協定
2023年8月6日、佐賀県唐津市では、日本蓄電池株式会社が同市と「災害時における蓄電所の活用に関する地域防災に関する連携協定」を締結しました。この協定は、災害時における電力供給の確保を主眼としており、市民の安全と生活の持続性を支えることを目的としています。協定締結式には、唐津市の峰達郎市長と日本蓄電池株式会社の代表取締役社長である漆原秀一氏が出席しました。
連携協定の概要
この協定では、唐津市と日本蓄電池が協力し、災害発生時に迅速に電力供給支援体制を構築し、市民サービスの向上を図ります。大規模な災害や停電に備え、自治体と民間企業が連携することが重要とされ、平時からの支援体制の構築が求められています。この取り組みは、唐津市の地域防災力を一層強化するものとして期待されています。
系統用蓄電池とは何か?
系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの有効活用や電力の需給バランスを保つために設置される大規模な蓄電設備です。電力系統に接続されており、余剰電力を充電し必要なときに放電する仕組みが整っています。特に太陽光や風力発電などの出力変動が大きい発電方式において、その安定運用を支える重要な役割を担っています。
災害時の電力供給の可能性
日本蓄電池が提供する系統用蓄電所には、外部コンセントが設けられています。災害時には、資格を有する電気主任技術者が現地にて操作し、蓄積された電力を供給することが可能です。この電力は、ポータブルバッテリーの充電やスマートフォン、ノートパソコンなどの通信機器に利用され、非常時に必要な連絡手段を確保するのに役立ちます。
たとえば、2人世帯が72時間で必要とする電力量はおよそ17kWhとされ、これを基にした場合、定格容量約8MWhの蓄電所では約470世帯分の電力を供給できる計算になります。このように、系統用蓄電所は災害時の地域インフラとして重要な機能を果たすことが期待されています。
日本蓄電池の取り組み
日本蓄電池株式会社は、エネルギー供給の調整力を高めるため、蓄電池の普及を促進する事業を展開しています。その活動の中心は、適切な用地を見つけ、電力会社との調整を行い、信頼性の高い蓄電所を構築することです。運用とメンテナンスに関しても、法定点検や運用監視などを行い、長期的な安全性を確保しています。
企業としては、持続可能なエネルギー社会の形成を目指し、系統用蓄電池を通じて新たな市場の創出を図っています。2025年までに20箇所、2026年までに80箇所の蓄電施設を運営開始する予定です。
まとめ
日本蓄電池の唐津市における地域防災協定は、災害時の電力供給体制を強化する重要な一歩です。この取り組みを通じて、地域の防災力を高め、市民生活の安全を守ることに貢献したいと考えています。今後、より多くの地域で同様の取り組みが進むことが期待されています。