虎斑竹を未来へ導く竹虎の挑戦
創業から130年以上、不朽の竹文化を育んできた虎斑竹専門店・竹虎が、最近「第8回エコプロアワード」で奨励賞を受賞しました。この栄誉ある賞は、持続可能な竹文化を次世代に繋げることの重要性を強調しています。竹虎の取り組みは、その理念を体現するものとして高く評価されています。
この受賞の背景には、地域資源の有効活用があり、特に虎斑竹(とらふだけ)を中心に地域の竹林の育成や管理、製造・販売の一貫した流れが存在します。竹虎は竹の廃棄を抑える循環型の取り組みを行い、竹の可能性を最大限に引き出しています。
地元に根ざした竹の文化
虎斑竹は高知県須崎市に自生し、その特徴的な虎模様は自然の美しさを象徴しています。竹虎は、この貴重な資源を最大限に活用するため、約700度の高温での「油抜き」を行い、その後の加工には職人の熟練技術が必要です。熟練の職人たちによる手作業は、竹素材を新たな命を与えるものであり、次世代への継承が進められています。
生育の早さを誇る竹は、一般の樹木に比べ多くのCO2を吸収することから、地球温暖化対策にも有効な天然資源です。そうした自然の恵みを活かし、竹虎は竹の端材や品質の基準を満たさない竹までを捨てることなく、「伏せ窯竹炭」として再利用しています。この竹炭は消臭や調湿の効果を持つ製品として販売され、様々な家庭で役立てられています。
廃棄ゼロを目指す製品開発
竹虎は、竹の皮や小枝、地下茎を使った製品づくりに取り組みています。「捨てる部分がない」という竹の特性を生かし、青竹踏みや草履、また食品パッケージ用の竹皮など、暮らしに根ざした商品を生み出しています。これにより、竹文化や日本の伝統を広める活動を続けています。
持続可能な職場環境の整備
竹虎は地域経済への貢献も重視しており、地元雇用の創出や柔軟な労働環境を整えることで多様な働き方を応援しています。また、他の事業者のEC参入を促進するなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが行われています。この奨励賞受賞は、竹虎が地域に根差した循環型の製造と文化継承を実践している証です。
今後も竹虎は、竹の力と魅力を活用し、持続可能で豊かな未来に向かって前進し続けます。竹の持つ無限の可能性を信じ、私たちは次世代に向けた活動を模索し続けることでしょう。
会社概要
- - 社名:竹虎株式会社山岸竹材店
- - 所在地:高知県須崎市安和913-1(本社・本店)
- - 創業:1894年(明治27年)
- - 代表取締役:山岸義浩
- - 事業内容:特産虎斑竹を利用した各種竹製品および竹炭等の製造・卸・販売
- - 公式サイト
この取り組みを受けて、竹虎は今後も竹文化の発展に寄与し、持続可能な社会の実現に向けた新たな地平を切り拓いていくことでしょう。