スパイダープラス、AI技術を活用した新システムの発表
スパイダープラス株式会社は、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための新たな一歩を踏み出しました。同社が2023年から運用を開始した「外壁タイル接着率判定システム」をバージョンアップし、AIを駆使した画像解析機能を新たに加えたことを発表しました。このシステムは、接着剤とタイルの同系色での判定精度を向上させ、業務の効率化を図るものです。
新バージョンの革命的なポイント
従来のシステムでは、タイルと接着剤が類似の色の場合、接着率の判定が困難になるという課題がありました。しかし、今回は新たに開発したAI画像認識技術とセグメンテーションモデルを用いることで、この問題を克服しました。具体的には、iPhoneでタイルの裏面を撮影し、測定範囲を指定するだけで、接着率を正確に算出し、均等な接着の合否も判定できるようになっています。これにより、接着の検査業務における正確さが大幅に向上します。
このシステムは、建設現場での客観的な検査と販売記録の自動作成を支援します。その結果、外壁タイル施工における業務は約65%、つまり約12時間の時間短縮が期待されます。このシステムは、外壁タイル施工における品質管理を飛躍的に向上させると同時に、業務の省力化にも寄与するのです。
開発の背景と意義
長谷工コーポレーションは、2018年よりSPIDERPLUSという建設DXサービスを導入し、図面や工事写真の管理、安全パトロール、検査業務の効率化に取り組んできました。このシステムは、外壁タイルの施工における検査精度を向上させるために設計されており、業務の効率化が期待されています。
接着剤を用いる外壁タイルの施工では、接着剤のタイル裏面への適切な付着率を保ち、それが均等に行われていることが品質管理において重要です。国土交通省が提供した指導に従い、定期的な接着状況の検査結果を記録する必要がありますが、これまでは検査は目視で行われ、非常に多くの時間と労力を要しました。
未来の展望
本システムの導入は、スパイダープラスが業界全体の品質向上や生産性向上に寄与するための重要な鍵となります。スパイダープラスは、このシステムを今後外販していく予定で、業界全体の品質基準を引き上げることを目指します。
このシステムの効果は、1棟14階建て66戸の共同住宅に導入された場合でも実証されており、業務の省力化に大きな効果を発揮しています。
AI技術の導入は、建設業界の未来を変える鍵となりそうです。今後の展開がますます楽しみです。