第17回日本マーケティング大賞発表の意義
2024年、優れたマーケティング活動を表彰する第17回日本マーケティング大賞が発表されました。この賞は、企業や団体の新たなマーケティング手法やビジネスモデルの開発を奨励することで、消費者の生活向上を目指すものです。選考は日本マーケティング協会の選考委員会によって行われ、今年は96件の推薦プロジェクトから選ばれた受賞者たちが称えられました。
グランプリ受賞プロジェクト
最も注目されたのは、アサヒビールの「未来のレモンサワー」です。この製品は、世界初の本物のレモンスライスが入ったチューハイで、開栓するとレモンスライスが浮かび上がるビジュアルと、フルオープン缶を使用した新しい飲用体験を提供します。従来のRTD(Ready to Drink)飲料の枠を超え、五感を刺激する次世代の飲み物として期待されています。
これに加え、アサヒビールは販売戦略のもとで、エリア限定販売を採用し、多くの店舗で品切れを引き起こしました。このような取り組みが結果として高い評価を受け、グランプリに輝いた理由となりました。
準グランプリと奨励賞
準グランプリには、株式会社マイナビの「座ってイイッスPROJECT」が選定されました。アルバイトの「立ちっぱなし問題」を改善すべく、業務中でも気軽に立ったり座ったりできる「マイナビバイトチェア」が開発されました。このプロジェクトは、働く人々への配慮を目的とし、実際に導入した企業が増加しています。
また、奨励賞を受賞したプロジェクトには、花王の「職場のロリエ」、キリンホールディングスの「エレキソルトスプーン」、資生堂の「ファンデ美容液」、グラングリーン大阪の開発プロジェクト、そしてツインバードのリブランディングが含まれています。これらのプロジェクトは、独自性や社会課題解決に向けた意義深い取り組みとして評価されています。
地域賞を受賞したプロジェクト
地域賞に輝いたプロジェクトでは、関西地域の「バルチカ03」、九州地区の「ご当地クラフトメンマ」、北海道の「ミルクランド北海道」が選ばれました。これらは地域資源を活用し、地域活性化に寄与する取り組みとして高く評価されています。特に「バルチカ03」は、大阪の中高年男性をターゲットとした飲食ゾーンの開発に取り組み、集客効果が高いことから注目されています。
「ご当地クラフトメンマ」は、放置竹林を資源化することで新たな価値を創出し、くるまりの問題解決に貢献しつつ、社会的な課題解決にも寄与しています。また、「ミルクランド北海道」は、北海道の酪農の奨励に向けたキャンペーンを実施し、牛乳消費の拡大を図っています。
今後の展望
このように、第17回日本マーケティング大賞では、ただの商業活動に留まらず、社会や地域に貢献するプロジェクトが数多く選出されました。円滑な経済活性化とともに、マーケティング活動がもたらす幅広い影響が今後も期待されます。表彰式は2025年6月12日に品川プリンスホテルで行われる予定です。
今回は日本マーケティング協会が新たなマーケティングの在り方を示すイベントとなることが期待されています。競争が激化する中で、消費者のニーズに耳を傾け、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みが今後も続いていくことでしょう。