酒粕の再生から誕生した純米大吟醸「廻(めぐり)」
2026年3月17日、福井県の老舗酒蔵・株式会社南部酒造場が新たな日本酒「純米大吟醸 廻(めぐり)」を世に送り出す。この商品は、地元農家・旭農園との共同による「循環型酒米プロジェクト」の成果であり、サステナブルな酒造りを実践した貴重な一品である。
循環型酒米プロジェクトの誕生背景
プロジェクトのスタートは2025年春で、これまで酒造りで生まれた副産物である酒粕を、地元の農業へと還元することを目指した。南部酒造場はこれまでも酒粕を食品や奈良漬けなどに利用してきたが、さらに踏み込んだ地域資源の循環モデルを構築することを決意。パートナーとして地域の特別栽培米を手がける旭農園と手を組み、この取り組みが始まった。
このプロジェクトの具体的な流れは、まず酒蔵で発生した酒粕を肥料として田んぼに散布。そして、その田んぼで栽培された酒米「五百万石」を使って醸造が行われる。こうして生まれた日本酒は、再び地域へと還元される。この循環を通じて、環境への配慮と地域の農業と酒造りを結びつける新たなモデルを目指している。
農家と酒蔵の交流
プロジェクトでは、農業従事者と酒造業者の交流も重要な要素となっている。酒米の生産者が自ら育てた米を酒蔵で使い、その仕込みを体験することで、両者の距離を縮めることに成功した。2025年秋には酒粕を肥料に使用して育った酒米の収穫が行われ、旭農園の旭政一氏は酒蔵にて自らの米を使った実際の製造過程を見学した。
新商品の特徴「廻(めぐり)」
誕生する純米大吟醸「廻(めぐり)」は、「人・米・酒がめぐる」という理念が込められた商品である。このお酒は、環境に配慮したエコボトルや再生紙のラベル、水なし印刷などを採用しており、持続可能な未来を感じさせるパッケージに仕上がっている。商品概要は以下の通りだ。
- - 商品名: 純米大吟醸「廻(めぐり)」
- - 原料米: 酒粕米 五百万石100%
- - 精米歩合: 50%
- - アルコール分: 16%
- - 容量: 720ml
- - 価格: 2,200円(税込)
- - 発売日: 2026年3月17日(火)
- - 販売場所: 花垣特約店、花垣直営店、公式オンラインショップ
- - 仕様: 環境配慮仕様(エコボトル・再生紙ラベル・水なし印刷)
プロジェクトの未来への展望
この取り組みは、単なる新商品開発に留まらず、地域資源を活用した農業と酒造りの新しい循環モデルの構築を目指している。南部酒造場は今後も地域と共に持続可能な酒造りを推進し、プロジェクトの進展を見守っていく予定だ。
メディア向け発表会の開催
発売に先立ち、メディア向けの発表会が2026年3月12日に南部酒造場にて開催される。このイベントでは、旭農園の副代表である旭政一氏や南部酒造場の杜氏・南部拓也も登壇し、プロジェクトの背景や味わいを試飲を交えて紹介する機会が提供される。
株式会社南部酒造場は1733年創業の老舗酒蔵であり、地域に根ざした酒造りを続けている。地域農業に寄り添いながら、持続可能な未来を切り開くこのプロジェクトには、多くの期待が寄せられている。