蓄電池の未来
2023-05-10 13:00:03

再生可能エネルギーを生かす蓄電池技術の進展と将来展望

蓄電池を利用した新たなエネルギーシステムの実証



日本エネルギー総合システム株式会社(以下、JPN)は、再生可能エネルギーの導入と効果的な管理を目指して、蓄電池技術を用いた実証事業を進めています。このプロジェクトでは、発電予測の精度向上や需給バランスの最適化に焦点を当て、特に市場取引の採算性を高めることを目的としています。

実証の概要と結果



この実証事業は、RE100電力株式会社をアグリゲーターとし、他の4社とともに構成されたコンソーシアムによって行われました。主要なポイントは、以下の7つの検証項目です。

1. 発電予測精度の向上
2. インバランス低減
3. 市場取引における採算性向上
4. 蓄電池の効率的な運用
5. 需要側の調整力の活用
6. 新しい予測モデルの開発
7. 経済性の検証

特に発電量の予測に関する結果は注目に値します。JPNは独自に開発した「AIモデル」を用いた予測が、実際の発電量に対して非常に高い精度を持ち、当日の2時間前に行う予測が最も適切であるとの結果を得ました。この成果により、予測における最大誤差率は8.57%にまで低下し、発電所の数が増えるにつれてその正確さが向上することも明らかになりました。

経済性の検証と課題



次に、蓄電池併設型の発電設備についての経済性を検証しました。シナリオ別に、蓄電池の導入コストと必要な蓄電容量を分析した結果、需要予測が上方修正された場合、蓄電池を使って電力を放電することでコスト削減が可能であることが示されました。市場で電力を購入するよりも経済的で、需給調整においても効果を発揮します。

また、競争力を維持しつつ最適な創エネコストは14.23円/kWh以下とし、そのための蓄電池価格は約7万円/kWh以下であることを導き出しました。

事業の今後の展望



JPNとRE100電力は、今後さらに発電から供給までのプロセスを内製化することを目指し、創エネコストの削減を図ります。同時に、インバランスリスクを抑えることで、アグリゲーション費用を低減し、小規模事業者向けにも事業性のある再エネビジネスを提供することを目指します。

特に小売電気事業者向けには、安価な再生可能エネルギー電力を供給するサービスを検討中です。実証から得た成果や課題を生かして、さらなる実証を行い、高圧発電設備への産業用蓄電池の導入や、季節や天候に応じた新たな試験も計画しています。

まとめ



総じて、JPNとその協力者は、蓄電池を利用した再生可能エネルギーの持続可能な未来に向けて、重要な一歩を踏み出しました。今後の技術革新と市場の変化にも注目が集まります。

会社情報

会社名
日本エネルギー総合システム株式会社
住所
香川県高松市林町1964-1
電話番号
087-813-5908

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