株式会社北國フィナンシャルホールディングス(以下、北國ホールディングス)およびそのグループ会社である株式会社北國銀行は、次期コアバンキングプロジェクトにおいて、マルチLLM(大規模言語モデル)を導入することを決定しました。この取組みにより、業務の効率化と生産性向上を目指していくと言います。
導入されるのは、Microsoft社の「Azure Open AI Service」とGoogle社の「Gemini」。これらの先進的なAI技術を用いることにより、旧プログラムから新プログラムへの自動変換や、仕様書からのプログラム生成を行い、さまざまな業務プロセスの自動化を図ります。この工程により、開発時間の短縮と品質の向上を実現すると期待されています。
プロジェクトは、2023年3月に設計フェーズを完了し、4月からは製造フェーズへと移行する予定です。特に、製造やテストフェーズではマルチLLMの効果が顕著に発揮されることが期待されており、業務の迅速化が進む見込みです。将来的には、さらなる生産性向上のために、マルチLLMの活用を推進し、新機能の導入にも積極的に取り組む方針です。
このプロジェクトにおけるマルチLLMの具体的なユースケースには、以下のような内容が含まれています。
1.
Code to Code:従来のプログラム(Cobol)から新たに必要なプログラム(Java)への自動変換。
2.
Code to Doc:プログラムを日本語化し、仕様確認やレビューに役立てる。
3.
Doc to Code:日本語の仕様書に基づいてプログラムを生成する。
4.
Test Code:自動テスト用のロジックを自動追加。
5.
Test Case:プログラムから自動的にテストケースを生成する。
これらの機能を通じて、業務の自動化はさらに進展し、金融業務の効率化に寄与することでしょう。
関係者からは、AIの導入についての期待感が寄せられています。Microsoftの代表は、「北國ホールディングス様と北國銀行様が、次期コアバンキング開発において生産性と品質の向上を目指すことに寄与できることを嬉しく思います。新しいシステムの導入が金融業界に新たな価値をもたらす確信があります」と述べています。また、Google Cloudの代表も、「Geminiの高度なセキュリティや推論機能により、複雑なタスクの処理が可能になります。このプロジェクトが開発時間の短縮と品質向上に寄与することを信じています」と強調しています。
具体的な業務プロセスの自動化に向けた取り組みは、今後の金融業界において重要な流れになるでしょう。北國銀行の次期コアバンキングプロジェクトは、その一環として、AI技術を駆使して、より効率的かつ高品質なサービスを提供することを目指しています。