井上七海個展
2024-10-24 23:49:54

井上七海の新しい世界が描く「忘れ水」の深淵とは

名古屋・栄に新たなアートの風を吹き込む井上七海の個展「忘れ水」が、2024年10月25日から12月14日まで開催されます。

井上七海は名古屋芸術大学美術学部洋画コースを卒業後、京都芸術大学の大学院で油画を学び、現在は名古屋を拠点に活躍するアーティストです。この個展は、井上にとって地元名古屋での待望の初の個展であり、その確かな才能を広く紹介する機会となります。

本展のタイトル「忘れ水」は、日本の古典文学において美しさを表現する言葉であり、往々にして他の概念を想起させる序詞として用いられます。例えば、江戸時代後期の歌人、木下幸文は、「我が宿のむぐらが下の忘れ水よるは蛍のたづねてぞくる」と詠み、流れ落ちる水の微妙な美しさを示しています。この表現から、目に見えないものの存在感と自然との繊細なつながりが感じられます。

井上はこの「忘れ水」の概念を具現化するため、線を引く行為を通じて「何でもないけれど、何かであるもの」を描き続けています。このようなパラドキシカルな思考を基に、視覚芸術の本質に向き合う井上の作品には、彼自身の内面の探究と絵画の新たな可能性を探る試みが反映されています。

個展では、新たに発表される《描かないためのエスキース》シリーズから1作品が展示されるほか、井上の代表作である「スフ」や「表と裏のためのドローイング」なども並びます。これらの作品は、直線を反復することによって独自の図形を創造し、さらに刺繍の技法を用いて表現の幅を広げています。

「忘れ水」に込められたメッセージや、井上自身のの探求に触れることで、来場者は新たな視点を得ることができるでしょう。私たちはしばしば目には見えないものに敏感であり、井上の作品はそんな視点を刺激します。線と流れの間に潜む無限の可能性に思いを馳せることで、新しい気づきが訪れるかもしれません。この個展を通して、井上七海の芸術がどのように進化し、また観客に何を届けるのか、ぜひ体験してほしいと思います。

展覧会情報は以下の通りです。
  • - 展覧会名: 忘れ水
  • - 会期: 2024年10月25日(金)- 12月14日(土)
毎週木、金、土に開廊のほか、11月3日(日・祝)、11月4日(月・振休)も開廊します。
  • - オープニングレセプション: 10月25日(金)17:00-18:00
ギャラリートークは17:30-18:00を予定しています。
  • - 会場: anonymous studio
住所: 愛知県名古屋市中区栄3丁目5−10の先、久屋大通公園ヒロバス内
交通: 名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線栄駅下車、14番出口より徒歩1分
  • - 主催: anonymous art project

井上七海のアートの世界にぜひ足を運んで、この独自の展覧会からインスピレーションを受け取ってみてはいかがでしょうか。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

会社情報

会社名
株式会社ぬかが
住所
東京都中央区銀座2-3-2 3F
電話番号

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。