2024年 熱中症調査
2024-07-11 10:09:32
熱中症対策は万全? マスク着用率は5割以下に! 2024年夏の意識と実態調査結果
熱中症対策は万全? マスク着用率は5割以下に! 2024年夏の意識と実態調査結果
健康総合企業の株式会社タニタが実施した「熱中症に関する意識・実態調査2024」の結果が発表されました。本調査は2019年から毎年実施されており、今年で6回目となります。全国の15歳以上の男女1000人を対象に、2023年6月4日~5日の2日間、インターネットリサーチにより行われました。
調査によると、2024年夏のマスク着用率は48.2%と、ついに5割を下回りました。年代別にみると、40代、50代、60代以上は5割を超えましたが、10代、20代、30代の若年層は4割台となりました。マスクの着用については2023年3月から個人の判断に委ねられるようになりましたが、各年代とも新型コロナウイルス感染症の感染対策と、“マスク熱中症”の対策をバランスよく行っていることがうかがえます。
また、68.7%の人が「今年の夏は節電を心掛ける」と回答しました。年代別にみると、「あてはまる」と回答した人の割合は60代が最も高く、全体平均を10ポイント以上も上回る78.9%に達しました。エネルギー価格は物価高により高止まりの状態が続いており、節電に取り組もうと考える人が増えているようです。
一方、熱中症対策に関する知識については、年々深まっていることが分かりました。環境省が2024年4月に運用を開始した「熱中症特別警戒アラート」の認知率は、導入前の2023年と比べて13.6ポイント上昇しました。しかし、2021年に運用を開始した「熱中症警戒アラート」の認知率は82.1%と高く、「熱中症特別警戒アラート」の認知度は「熱中症警戒アラート」に比べるとまだまだ低いと言えそうです。
一方で、気温や湿度、輻射熱を取り入れた指標「暑さ指数」(WBGT)の認知率は前年比6.4ポイント増の57.9%と、認知度は年を追うごとに上がっています。
また、今年4月から指定・運用がスタートした「クーリングシェルター(避暑施設)」の認知率は、昨年の調査結果と比べて12.5ポイント上昇しました。ただ、「自身の行動範囲にあるクーリングシェルターを知っているか」と聞いたところ、「知らない」と回答した人の割合は90.7%にも上りました。クーリングシェルターの仕組みについては理解しているものの、クーリングシェルターがどこにあるのか大多数の人に認知されていないという実態が浮き彫りとなりました。
さらに、暑熱順化の認知率は5割を超えましたが、「暑熱順化には数日~2週間程度かかることを知っていた」人の割合はわずか27.4%にとどまりました。また、「一度暑熱順化ができても、数日暑さから遠ざかると、暑熱順化の効果がなくなってしまうことを知らなかった」との回答は73.9%と、ほとんどの人が知らないことが明らかになりました。からだが暑さに慣れた後、しばらく涼しい気候が続いたり、エアコンの効いた室内で過ごしたりすると、からだが暑熱順化していない状態に戻ってしまうので、注意する必要があります。
今年の夏も、全国的に気温が平年より高くなる見通しで、厳しい暑さが予想されています。気象庁が6月末に発表した7月~9月までの天気予報「3か月予報」によると、全国的に気温が高い状態が続き、“猛暑”になると予想しています。熱中症への意識を高め、予防していくことが求められます。熱中症は予防策をとれば、防ぐことができる疾病とされています。タニタは熱中症指数計や温湿度計などを製造・販売しているほか、2024年7月10日には複数地点の異なる暑さ指数を自動で収集し、遠隔で一元管理する新サービス「タニタ暑さ指数管理サービス」の提供を開始しました。また、自治体と協働し住民に対する熱中症リスクの「見える化」や啓発セミナーを行うなど暑さ対策に取り組んでいます。タニタでは室内外の適正環境づくりに関わる商品を展開するとともに、熱中症予防に関するさまざまな情報を発信していくことで、生活者の健康づくりをサポートしていきます。