生成AIで「やさしい日本語」
2024-06-27 19:37:20

生成AIで「やさしい日本語」を教育現場へ!NPO法人eboard、トヨタ財団助成で実証開始

生成AIで「やさしい日本語」を教育現場へ!NPO法人eboard、トヨタ財団助成で実証開始



NPO法人eboardは、外国につながる子どもたちの学習・コミュニケーション環境改善を目指し、生成AIを活用した「やさしい日本語」の活用実証を開始しました。この取り組みは、公益財団法人トヨタ財団からの助成を受けて行われます。

eboardは、2020年から約2,000本の映像授業に「やさしい字幕」を付ける活動を展開してきました。この活動で培った知見を基に、生成AIを用いた「やさしい日本語」への自動変換ツールの開発を進め、日本語指導が必要な子どもたちを支援します。

# 日本語指導が必要な子どもの増加と課題



近年、日本国内では、海外から日本に帰国した子どもや、外国で生まれ育った子どもなど、日本語指導が必要な子どもが増加しています。文部科学省の調査によると、2021年度には約5.8万人に達し、その数は年々増加傾向にあります。しかし、地域によって支援体制には大きな差があり、子どもたちの学習や学校生活におけるつまずきにつながることが懸念されています。

特に、都市部では「外国につながる子」が多く集住しており、複数言語の通訳や日本語教師の必要性が高まっています。一方、地方では、日本語指導が必要な子どもが1人しかいない学校も多く、継続的な予算確保や体制構築が難しい状況です。

さらに、日本語指導ができる人材の不足も深刻な課題となっています。学校教育現場では日本語教師の需要が高まっている一方で、供給が追いついていない状況です。

# 「やさしい日本語」のニーズの高まり



「やさしい日本語」は、阪神・淡路大震災をきっかけに考案され、外国の方にも理解しやすいように配慮された日本語です。行政機関や外国人支援団体などで普及が進み、外国の方からのニーズも高まっています。

# 生成AIを活用した「やさしい日本語」化ツールの開発



eboardは、約2,000本の映像授業に「やさしい字幕」を付けるプロジェクトを通じて、「やさしい日本語」に関する知見を蓄積してきました。この知見を基に、生成AIを活用した「やさしい日本語」変換ツールを開発し、教育現場での実証試験を実施します。

このツールは、文章構造や語彙を簡素化することで、日本語学習中の子供たちが理解しやすい「やさしい日本語」に変換することを目指しています。将来的には、教材や授業内容、コミュニケーションツールなど、様々な場面で活用されることを期待されています。

# eboardの取り組み



NPO法人eboardは、「学びをあきらめない社会」をミッションに掲げ、経済的な事情や不登校、障害など、様々な事情を抱える子どもたちの学習機会保障に取り組んでいます。団体が開発・運営するICT教材eboardは、約2,000本の映像授業と約10,000問のデジタルドリルで構成されており、全国の公立学校や学習支援団体、フリースクールなどで導入されています。

eboardは、生成AIを活用した「やさしい日本語」変換ツールの実証を通して、より多くの子供たちが学習機会にアクセスできる環境づくりを目指していきます。


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