山梨県が中小企業のDX推進を支援する「デジサポ！やまなし」を始動

山梨県が2025年3月から新たに開始する「デジサポ！やまなし」は、県内の中小企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援するためのプラットフォームです。このプログラムは、株式会社ライフイズテックとの連携によって実現され、県内の大学生たちのDXスキルを活かしつつ地域経済の活性化を目指しています。

「デジサポ！やまなし」は、山梨県内における中小企業が直面するDX推進の課題を解決するために設計されています。多くの企業がデジタル技術を導入したいと考えているものの、インターネットを中心とした技術的な理解や導入コストによって実行に踏み出せない状況があります。このプラットフォームでは、適切なサポートを提供し、企業が自分たちのペースでDXを進めていく手助けを行います。

2025年3月14日には、「令和6年度 DX人材育成エコシステム創出事業成果報告会」が開催され、「デジサポ！やまなし」の正式なスタートが発表されるとともに、大学生DXリーダーによる具体的な支援事例が紹介されました。この報告会には、山梨県知事の長崎幸太郎氏をはじめ、教育委員会や県内商工団体、企業関係者らが参加し、中小企業へのDX支援に対する強い期待が共有されました。

特に注目されたのは、大学生DXリーダーの活動です。彼らは、実際に県内企業に出向き、経営課題をヒアリングします。その上で、デジタル技術を活用した解決策を提案し、実行に移します。具体的には、あるジュエリー企業が直面していた採用の課題に対し、リクルートサイトの再編成を行うことで、企業の魅力を効果的に発信する支援を行いました。また、個人経営の美容院のケースでは、自社予約サイトのSEO対策を実施し、集客コストを低減する施策を講じました。さらには、ワイナリーがブランド認知を拡大するために、プロモーション動画やホームページの制作に取り組むなど、大学生の提案が具体的な成果を上げていることが実証されました。

報告会で、長崎知事は大学生の支援活動に驚きを示し、「ここまでレベルの高い支援ができるとは想像以上だった」と述べるなど、取り組みの質への評価が高まりました。また、「期待以上の成果を上げている」とし、この取り組みへのさらなる期待を寄せていました。参加者たちは、このプラットフォームがもたらす地域経済への影響に大きな期待をかけている様子が見受けられました。

山梨県は中小企業の割合が非常に高い地域であり、今後も効果的なDX推進が求められています。若年層の県外流出が課題となっている中で、「デジサポ！やまなし」は、地域に根ざした人材育成とデジタル技術の普及を図ることで、県内の企業と学生の新たな可能性を開く役割を果たすことが期待されています。このプラットフォームが提供するサポートを通じて、地域の中小企業が新たなビジネスチャンスを得ることができるのか、今後の成果が待たれます。