責任あるAIの重要性
2025-12-15 14:52:26
企業における責任あるAIガバナンスが業績向上を叶える
企業における責任あるAIガバナンスが業績向上を叶える
EYが公開した「Responsible AI Pulse Survey(責任あるAIに関するパルス調査)」の2025年度第2回レポートは、企業が責任あるAIの実装を進めることで、どのように業績が向上しているかを明らかにしました。調査結果によれば、責任あるAIを導入している企業は、収益成長や従業員満足度の向上、さらに業務の効率化において、他社を大きく上回る成果を上げています。
業績向上の仕組みとは?
調査に参与した企業の約80%が、イノベーション向上(81%)、業務効率(79%)が進展したと回答しており、約半数は収益向上(54%)やコスト削減(48%)に至ったと述べています。このような変化は、気候変動や社会問題に対する企業の姿勢が評価される中で、責任あるAIの導入が新たな競争優位を生み出す要素となっていることを示しています。
企業が責任あるAIを推進するためには、明確な原則を設定し、それを社内で効果的に浸透させる必要があります。その後、実践的な取り組みとして、ガバナンス体制を固めることが重要です。
実際に、調査対象の企業は、10項目の責任あるAI施策のうち平均7項目を既に実施しており、未実施の企業も大半が今後の実施を計画しています。今後ますます責任あるAIの推進が重要視されていくことは明白です。
AIリスクへの意識と取り組み
興味深いことに、調査結果からはAI関連のリスクに直面している企業が99%に達し、その内の約64%が100万米ドルを超える財務的損失を被っています。特に、AI規制の不遵守(57%)、持続可能性の目標に対する悪影響(55%)、そしてバイアス関連の課題(53%)が挙げられています。
このようなリスクに対処するため、企業は適切な管理策を講じる必要があります。しかし、最高リスク責任者(CRO)でさえ、AIリスク管理の認識には深刻な問題があることが示唆されています。これは、エージェント型AIの普及と従業員による自発的な開発が広がっている今、ますます重要な課題となっています。
魅力的な未来へのビジョン
EY GlobalのManaging Partner、Raj Sharma氏は次のように述べています。「AIを適切に管理しないことは、大きな損失を招く可能性があります。リスクを低減し、価値創出を加速するためには、責任あるAIを事業の中心に置くことが不可欠です。」また、EYのChief Innovation Officer、Joe Depa氏は、「責任ある姿勢を持つことが、企業の成長においてますます重要です。」と強調しています。
調査結果は、今後の企業戦略において、効率性を追求するだけでなく、責任あるAIの原則に則った成長が求められることを意味しています。このような姿勢を持つ企業が競争優位を確保し、AI主導の経済において成功を収めることが期待されています。
EYは今後も、このような責任あるAIに関する取り組みを通じて、企業が持続可能かつ倫理的な成長を遂げられるようにサポートしていくとしています。
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