東京大学IPCが株式会社LegalScapeに出資
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)は、オープンイノベーションを推進するために設立された投資ファンドを通じて、AI技術を駆使した法律情報リサーチサービスを提供する株式会社LegalScape(リーガルスケープ)に対して、1.6億円の出資を行った。この出資により、東大IPCはリーガルスケープの主要株主となる。
AIリーガルリサーチの先駆け
リーガルスケープは、AIと法律情報を組み合わせた接続によって高度なリーガルリサーチを実現するビジネスを展開しており、従来のリサーチ時間を10分の1に短縮することを可能とする。これにより、弁護士や企業法務部などが効率的に法律情報にアクセスし、迅速に業務を進められる環境が整った。
特に、同社のリサーチAIは、最新のモデルであるGeminiやChatGPTをも凌駕する精度を誇っており、令和6年の司法試験においても高い正答率を記録している。このAI技術により、法律関連のあらゆる情報をワンストップで検索し実用化できることが期待されている。
創業支援からの成長
リーガルスケープの設立は、東京大学大学院での研究から始まった。代表取締役社長の八木田樹氏は、AIによる法情報の分析と整理をビジネスとして成り立たせるために2017年に会社を設立。その後、彼は法律情報のデジタル化やオープンデータ化に貢献してきた。今回の出資は、これまでの支援関係を継続的に維持しながら、新たな株主として参画することによって、さらなる事業拡大を後押しするものだ。
オープンイノベーションの推進
AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーションを推進するために設立された。新しいベンチャーの育成と投資を通じて、成長する市場において多くの成功事例を生み出すことを目的としている。今回のLegalScapeへの投資は、それに向けた重要な一歩と言える。
水本尚宏氏、東大IPCのCIOパートナーは、リーガルスケープとの関係を深めたことに感慨を表し、日本のスタートアップが生成AI市場で新しい価値を提供できることに期待を寄せている。法律情報という特有のコンテンツと生成AIの組み合わせは、市場における競争力を高める可能性がある。さらに、リーガルスケープのビジネスモデルは、弁護士や企業法務部門に限らず、社労士や税理士などの士業にも応用できる広がりを持っている。
未来の展望
リーガルスケープの出資を通じて、ますます進化するAI技術を法律分野に取り入れ、困難な法的課題を効率的に解決する手段が提供されることが期待されている。法情報の完全なエコシステムを築く中で、国内外の競合に対しても高い参入障壁を築き、その存在感を示している。
このように、AI技術を活用したリーガルリサーチサービスは今後ますます注目されることになりそうだ。弁護士や法務担当者にとって、導入すべき新たな道具として位置付けられるであろう。
求められる法情報のデジタル化
生産性の向上が求められる現代において、法律情報のデジタル化は必然的な流れであり、リーガルスケープはその流れに順応して急成長を遂げている。法曹界全体がこのサービスの恩恵を享受することになり、利用者が求める速さと正確性が実現する未来が待っていることだろう。リーガルスケープの今後の動向には目が離せない。
会社情報
- - 社名: 株式会社LegalScape
- - 設立: 2017年9月14日
- - 所在地: 東京都文京区向丘二丁目3番10号 東大前HiRAKU GATE
- - 代表者: 八木田 樹
- - URL: LegalScape
- - 社名: 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)
- - 設立: 2016年1月
- - 所在地: 東京都文京区本郷 7-3-1
- - 代表者: 植田浩輔
- - URL: 東京大学IPC