「テクリエ さぎのみや」の開所決定
認定NPO法人CLACKは、東京・中野区鷺宮に、困難を抱える中高生向けの居場所「テクリエ さぎのみや」を2025年1月中旬に開所予定です。この施設は、デジタル技術を通じて若者たちに安心して学ぶ環境を提供し、自らの好奇心や独自の感性を見いだす場となることを目指しています。
開所の背景と目的
子どもたちが学外での様々な体験を持つことが、経済状況によって左右されることがあるという調査結果が示されています。特に、世帯年収が低い家庭の子どもたちは、多くの経験を得る機会が少なく、約30%が直近1年間に学外での体験を持たなかったことがわかっています。このような体験格差は、「世代間貧困」のサイクルを断つ上で大きな課題です。
「テクリエ さぎのみや」は、こうした現状を受けて、子どもたちが自由にデジタル技術に触れ、クリエイティブな活動を行う場となることを目指しています。AIなどの技術が普及する社会において、経済や家庭の事情に関わらず、誰もが機会を得られることが重要です。
施設の特徴
「テクリエ」という名称は、Technology(技術)とCreate(創造)を組み合わせた造語であり、デジタル機材を使ってつくる楽しさを強調しています。この施設は、まず1階にカフェスペースがあり、そこは地域の人々との交流を促進します。
1階:カフェとフリースペース
1階にはワッフル店が併設され、フリースペースとしてカフェの飲食エリアも利用できます。ここでは中高生同士や地域の方々とのつながりを築く環境が提供されます。
2階と3階:デジタルフロア
2階フロアでは、VR、3Dプリンター、レーザーカッターなど、様々なデジタル機材が設置され、仲間と一緒にクリエイティブなプロジェクトに挑戦できる場所になります。
3階は、個人の集中作業に適したスペースで、デジタルデザイン、プログラミング、動画編集など、好きなペースで学ぶことができます。
屋上:農園スペース
屋上にはコミュニティ農園が設けられ、地域の方々とともに野菜を育てる活動を行う予定です。さらに、農具の一部は中高生自身が製作し、IoT技術を導入することで新しい農業体験の場ともなります。
利用者への支援
「テクリエ さぎのみや」では、中学1年生から高校3年生までの学生に対して無料で利用できる場所を提供し、デジタルスキルを持つメンターが常駐します。学生たちが相談しやすい環境を整え、平日の夕方から夜にかけて利用できる時間帯を設定しています。また、初回の利用登録は不要で、保護者の同意があれば継続的に利用できます。
様々なサポートを提供
CLACKの活動は、地域の中高生に多様な支援を行い、彼らが希望と自らの力で未来を切り拓くため奮闘しています。企業や個人からの寄付も受け付けており、さらなる支援の輪を広げるため尽力しています。
公式ホームページやSNSを通じて、今後の活動に関する情報を発信する予定です。今後も中高生たちが自らの可能性を見いだす手助けをする「テクリエ さぎのみや」の動きに注目が集まります。