京都の若き宮大工集団が描く未来
京都に位置する有限会社匠弘堂は、充実した伝統技術を持つ宮大工集団です。社寺建築の設計・施工を主に手がけており、その特徴は、社員の平均年齢が29歳という若さ。その多くが20代、30代のメンバーから成り立っています。彼らは、100年、200年先にも残るような社寺建築を新築・修理・復元し、日本の文化を次代へ繋ぐことを理念に掲げています。
夢を発信する日:April Dream
匠弘堂は、4月1日の「夢を発信する日」に賛同し、自らの夢を明確に打ち出しました。「宮大工の仕事で世の中を幸せにしたい」という強い思いを抱き、創業以来変わらずこの理念に基づいて事業を展開しています。神社や寺院の新築や修理を通じて、日本の文化と技術を守ることが、彼らの使命です。
伝統技術の継承
1300年以上の歴史を誇る木造建築技術を次世代に継承するため、匠弘堂は多岐にわたる取り組みを行っています。彼らは、社寺建築を通じて日本らしい景観の残存を促進し、国産材の利用を推奨。従来の石油化学材料を可能な限り排除し、環境保全にも配慮した建築を目指しています。これにより、循環型社会の実現にも寄与しています。
社会貢献活動
2001年の創業以来、匠弘堂はオープンファクトリーやワークショップを開催し、宮大工の仕事や伝統建築の魅力を広めてきました。中高生やゼミ生の見学受け入れだけでなく、企業との技術交流会、そして海外の大学からの訪問も受け入れ、国際的な視野を持つ伝統文化の発信に努めています。
特に2024年からは教育面に力を入れ、小学生や保育園の子どもたちを対象にした体験イベントも実施。こうした活動を通じて、次世代の子供たちが日本の伝統に触れられる機会を増やしています。
実施例
1.
子ども新聞の取材 - 小学生が宮大工体験を行い、取材を受けるイベント。
2.
大丸京都店での授業 - 宮大工体験を通じて部材名称のクイズを行う。
3.
アテネ工科大学とのコラボ - 東京大学Kuma Labとの合同研修での規矩術ワークショップ。
4.
洛西高校での廃材活用 - 廃材を使ったワークショップでアイデアを出し合う。
これらの活動は、ただの経験に留まらず、未来の社会を担う子供たちに豊かな日本文化を伝える重要な機会となっています。
誰でも触れられる伝統
匠弘堂の代表、横川は、建築業界を超えた社会貢献の重要性を説いています。就職を控える学生とのパネルディスカッションで、向いている職業への道筋を示すことが如何に大切かを語り、参加者からも大きな共感を得ています。彼らが提供するワークショップやイベントは、単なる伝承にとどまらず、現代の学生にも受け入れられる形で進化し続けています。
未来への道
若き宮大工たちが描くのは、「世の中を幸せにする」ことです。弛まぬ努力で伝統技術を次世代へ繋げ、日本文化を支える礎となることを目指しています。彼らの取り組みがどのように広がり、社会に貢献していくのか、今後も目が離せません。
企業情報
有限会社匠弘堂は、2001年に設立され、少数精鋭の社員が伝統技術を駆使しながら日本の木造建築文化の発展に寄与しています。彼らは「宮大工として生きる」を企業理念に掲げ、その理念を体現した活動を続けています。子供たちが憧れる宮大工の存在を目指し、今後も迷うことなく突き進んでいくことでしょう。