画期的な治療法の登場
グンゼ株式会社の子会社、グンゼメディカルは、米国の医療機器製造会社HistoSonics, Inc.と、革新的な医療機器「ヒストトリプシープラットフォーム」の日本国内における独占的売買契約を締結しました。この新たな技術は、治療が困難とされていた肝腫瘍に新たな治療選択肢をもたらすものです。
ヒストトリプシープラットフォームとは
「ヒストトリプシープラットフォーム」は、世界初の非侵襲的治療法であるHistotripsy(ヒストトリプシー)を活用した医療機器です。この技術は、超音波を利用し、体内の腫瘍を物理的に破壊するもので、手術を必要としない点が特長です。具体的には、超音波を高集中させ、「バブルクラウド」と呼ばれるマイクロバブルの集合体を生成。これにより腫瘍を選択的に破壊しながら、周囲の正常な組織や血管への影響を最小限に抑えています。
肝腫瘍治療の新時代
従来の肝がん治療は、手術や高周波焼灼(RFA)などが主流でしたが、肝機能や腫瘍の位置、合併症によって治療が難しい患者もいました。これに対し、ヒストトリプシーは新たな選択肢として注目され、欧米を中心に治験が進められています。特に、肝細胞がんや転移性肝がんに対する治療が期待されていますが、将来的には腎がんや膵がん、前立腺肥大症などにも適用される可能性があります。
海外での実績
この技術は、2021年に米国FDAから「画期的医療機器指定」を与えられ、2023年に市販承認を受けており、米国ではすでに多くの大学病院で導入されています。実際、2,000件を超える治療実績が積み重ねられています。欧州ではCEマーキングを取得するための手続きが進行中で、アジア地域でも日本、台湾、シンガポールなどでの承認が待たれます。
グンゼメディカルの取り組み
グンゼメディカルは本契約を通じて、ヒストトリプシープラットフォームの日本での製造販売承認および医療保険への収載を目指します。さらに、医療機関との強力な連携を図り、導入支援やトレーニング体制を整え、治療の精度向上と医療現場における効率化を実現します。この取り組みを通じて、グンゼメディカルは患者の身体的負担を軽減し、医療品質の向上に貢献することを目指します。
企業情報
グンゼメディカルは1986年に設立され、医療機器の販売や開発に関わっています。その本社は大阪にあり、形成外科や脳神経外科など多岐にわたる医療分野での製品を提供しています。今後も革新技術を通じて、質の高い医療サービスの提供に尽力していく方針です。以上のように、グンゼメディカルが手がける「ヒストトリプシープラットフォーム」は、日本の医療界に新たな可能性をもたらすことが期待されています。