デンソーウェーブの新ミドルウェアが産業のDX推進を加速します

デンソーウェーブ、産業IoTの新章を切り開く

株式会社デンソーウェーブが、各産業におけるIoT活用とデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進を目的とした新しい統合ミドルウェア「ORiN3 Runtime」を開発し、2025年2月12日に提供を開始すると発表しました。
この新製品は、製造業だけでなく農業や医療などの他分野にも適用できるよう設計されています。

ORiN3 Runtimeの特長

「ORiN3 Runtime」は、デバイスと特定機能を持つアプリケーションの中心で動作するミドルウェアです。このソフトウェアは異なるデータ通信規格やプログラム言語を用いる多様なFA機器を接続し、データを統合し一元管理することを目指しています。

1. マルチプラットフォーム対応

本製品はWindowsだけでなく、LinuxやRaspberry Pi OSなど多彩な環境で利用可能です。これにより、手軽に安価なデバイスでの運用が実現し、拡張性や柔軟性が求められるシステム構築を支援します。特にDockerコンテナでの動作が可能となり、さまざまな用途に応じたカスタマイズが行いやすくなっています。

2. マイクロサービス対応

新たに導入されたマイクロサービスアーキテクチャにより、「ORiN3 Runtime」では各種装置との接続機能や設定機能を明確に分離しました。これにより、低スペックPCを有効に活用できるオプションが増え、システムの効率を向上させることができます。また、必要最小限の機能を迅速に起動・停止できるため、システムコストの削減が期待できます。

デンソーウェーブのこれまでの歩み

デンソーウェーブは、1970年代から産業用ロボットの開発を手がけており、その経験からミドルウェアの重要性を認識していました。2001年にはORiN協議会に参加し、その活動の一環として「ORiN」ミドルウェア仕様の策定に寄与しています。その後もFA機器のデータ通信を支援する「ORiN2 SDK」を2006年に発表し、様々なデバイスに対して統一的なアクセスを実現しました。