DNPがオーストリア企業AUSTRIACARDの公開買付けを発表
大日本印刷株式会社(DNP)は、2023年5月13日、日本時間にオーストリアのAUSTRIACARD HOLDINGS AGを公開買付けすることを正式に発表しました。AUSTRIACARDはウィーンに本社を持ち、決済ICカードや国民IDソリューション、バリアブルセキュリティ印刷事業などを展開している企業で、ウィーン証券取引所及びユーロネクスト・アテネ証券取引所に上場しています。
公開買付けの概要
DNPは、AUSTRIACARDとの間で基本合意書を締結し、筆頭株主であるNikolaos Lykos氏との応募契約も交わしました。この契約に基づき、DNPはAUSTRIACARDの全普通株式に対して公開買付けを実施します。株価は1株あたり10ユーロ、全体の価値は約364百万ユーロ(約677億円)に達する見込みです。
この新たな取引は、DNPグループが発表した「新中期経営計画骨子(2026-2028年度)」に基づくものです。情報セキュア関連を重視し、さらなる事業拡大を目指しています。特に、有望市場への積極的な投資を計画しており、AUSTRIACARDの買収はその重要な一歩となります。
AUSTRIACARDの概要と事業内容
AUSTRIACARDは1897年に設立され、国内外での決済カード製造において圧倒的な実績を持つ企業です。年に約一億枚ものカードを製造・提供しており、特に欧州と米国の銀行やフィンテック企業を主要な顧客としています。また、近年はAIを用いたデジタルテクノロジーの導入も進めています。
DNPとAUSTRIACARDの統合は、それぞれの強みを生かし、地理的な補完関係を成立させることが期待されます。特に、DNPのアジア市場での基盤と、AUSTRIACARDの欧州・アフリカ・北米でのネットワークを融合させることにより、グローバルな情報セキュリティ関連事業の強化を目指します。
今後の展望
DNPは、AUSTRIACARDの買収により、特に経済成長が期待されるアフリカ市場への進出を望んでいます。AUSTRIACARDはアフリカ地域での国民IDカードや選挙用紙の提供実績があり、今後は、DNPが2025年に買収したID認証サービスを提供するRubicon SEZCとの協業を通じてさらなるシナジーが生まれると考えられています。
この買収は単なる経済的な取引にとどまらず、グローバルな視点からのビジネス戦略として、競争力を先取りする重要な施策になることでしょう。
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