地域に根ざした老舗旅館『お宿かさい』の事業承継と新展開

伝統を引き継ぐ老舗旅館『お宿かさい』が新たな道を歩む

北海道の積丹町に位置する老舗旅館『お宿かさい』が、事業承継により新たな運営体制を整え、2025年の夏からの営業を開始します。札幌の明善株式会社がこの旅館の経営を引き継ぎ、長年の伝統を守りながら現代のニーズに合わせた新しいサービスを展開する計画です。

お宿かさいの歴史と魅力

『お宿かさい』は、積丹町の地元食材を活かした料理で多くの常連客に愛されてきました。特に、北海道産のウニやアワビなど、新鮮な海の幸を使った料理は訪れる人々に好評で、多数の高評価レビューが寄せられています。

この旅館は、地域の観光拠点としても重要な役割を果たしてきました。しかし、親族内での後継者不足により廃業の危機に見舞われていました。そんな折、明善株式会社が事業承継の意向を示し、旅館を地域に残すことが可能となったのです。

明善株式会社の取り組み

明善株式会社は、「北海道の次の100年をデザインする」という理念のもとで、中小企業の支援に特化したコンサルティングを行っています。特に、後継者不足による廃業問題に対し、事業承継やM&Aを積極的に進めています。

この度の『お宿かさい』の承継は、同社にとって5社目の事業承継事例となり、地域全体を活性化させるための新たな取り組みの一環です。明善株式会社は、宿泊業界に進出することで、食と観光を基盤にした経済活性化を図ります。

新たなサービスの導入

引き継がれる『お宿かさい』の運営には、従来の宿泊サービスに加え、ランチ営業が新たに始まります。特に、ウニ漁が解禁される6月以降は、宿泊客だけでなく、外部の来客にも対応するプランが提供され、観光客が増加することが期待されています。

また、料理のクオリティは先代の料理人から確実に引き継がれており、常連客からの期待も大きいです。

地域とともに歩む未来

今回の承継によって、『お宿かさい』は地域振興と経済効果を同時に追求する宿となります。宿泊業だけでなく、周辺地域の観光活性化にも寄与することを目指しています。明善株式会社は、自社の経営体制を活用し、地域の経済発展を促進する施策を実施する予定です。継ぎ手不在で悩む企業にも支援を行い、持続可能な地域経済を構築していく考えです。