秋の生しいたけ、旬の到来とともに安定した価格
生しいたけの季節が到来しました。秋は「秋子」とも称され、肉厚で香りが豊かであることが特徴です。この時期は鍋物の需要も高く、年間を通じて最も消費が増えるシーズンです。全国のスーパーマーケットで展開されている「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所が、最新の農産物の価格について調査しました。
価格の安定
最近のデータでは、2025年9月の生しいたけの平均価格は223円で、前年同月比で7%減少しています。しかし、2023年と比較すると若干の上昇を見せており、価格の変動が小さいことが際立っています。この要因としては、生活者の肉厚で大玉志向の需要や、菌床栽培による安定供給体制が挙げられるでしょう。
生産量と生産者数の変化
一方で、国内の食用きのこの生産量は減少傾向にあります。2023年には前年対比で5.1%減の約43.6万トンと報告されています。生しいたけも同様に6.5%減少し、約6万3千トンに達していません。それにもかかわらず、特定の地域ブランドや新しい食べ方が注目されています。
新たな食べ方の広がり
最近では、しいたけの新しい楽しみ方が注目されています。従来の煮物やだし用途にとどまらず、ステーキやバーガー、丼ものなどメインディッシュとして楽しむことが増えてきました。例えば、和歌山県の龍神村にある「龍神マッシュ」では、肉厚な生しいたけを年間約5,000キロ出荷しています。
地域ブランドとその影響
「龍神マッシュ」のような地域特化型の生産者が増えつつあります。肉厚で旨味が凝縮された生しいたけは、バターで焼いたステーキやフライ、そしてしいたけ丼など多彩な料理に利用されています。この動きは、徳島県の「神山しいたけ」と新潟県の「八色しいたけ」など、他の地域ブランドにも広がりを見せており、全体的に市場の縮小を補っています。
結論
生しいたけの旬が進み、安定した価格での市場提供がなされています。新しい調理法や地域ブランドの築き上げによって、消費者にとっての魅力は増しています。これから秋の訪れとともに、ぜひ新鮮な生しいたけを楽しんでください。
この調査に協力していただいた生産者の皆さんには感謝申し上げます。持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにするというビジョンが今まで以上に実現されることを期待しています。