看護師の実態調査が明らかにした得意・苦手なケアの実情
株式会社ケアコムが実施した全国の看護師371名を対象とした「看護師の意識・実態調査」は、看護業界の現場で行われているケアの実態を浮き彫りにしました。その調査では、看護師が得意とするケア、苦手なケア、好きなケア、及び特定の病院でのユニークなケアといったテーマについて質問がされました。以下にその主な結果をご紹介します。
1. 得意な看護技術
調査結果によると、看護師たちが自己評価する得意なケアで最も多かったのは「傾聴・コミュニケーション」で18.2%という結果でした。このスキルが多くの看護師にとって重要である理由は、患者との信頼関係を築く上で欠かせないからです。記入されたコメントからは、次のような声が寄せられました。
- - 「接遇マイスターという資格を持っているため、コミュニケーションに自信があります。」
- - 「患者さんと話すことが好きで、情報収集をするためにも役立っています。」
このように、多くの看護師が経験や他者からの評価を通じて、傾聴やコミュニケーションを得意と感じていることが伺えます。
2. 好きな看護技術
次に、「好きな看護技術」に関する問いでは、「環境整備」が13.7%で全国の看護師に評価されました。その他、採血や食事介助も人気があり、多くの看護師が自分の仕事に達成感を感じていることがわかります。コメントには、次のような意見がありました。
- - 「環境整備をして患者が快適に過ごしている姿を見るのが嬉しいです。」
- - 「採血で患者様に喜ばれた時はやりがいを感じます。」
3. 苦手な看護技術
一方で、「苦手な看護技術」として最も多く挙げられたのは「胃管チューブ挿入」で18.8%でした。この結果には、実施回数の少なさや過去の失敗経験が影響していることが多くの看護師からのコメントで示されました。
- - 「胃管チューブに関しては経験が少ないため、不安です。」
- - 「過去に失敗したことから、苦手意識があります。」
4. 自信を持って提供できる看護ケア
調査では、自信を持っているケアとして「心理的なケア」や「寄り添い」を挙げる看護師が多く、28.8%がこのスキルを選びました。このことから、看護師は単なる医療行為だけでなく、患者との心の繋がりを深めることに重きを置いていることが明らかになりました。
番外編:やる気が出る瞬間
調査の最後には、看護師がやる気を感じる瞬間についての回答もありました。
- - 患者からの「ありがとう」という言葉は特に大きなモチベーションとなるそうです。
- - また、急変時の対応で達成感を得たり、患者との信頼関係が築けた瞬間も挙げられました。これらの経験が、看護師の情熱をより一層高めていることが分かります。
まとめ
調査全体を通じて、看護師たちは患者とのコミュニケーションやケアの質を大切にしていることがわかりましたが、実際の現場では看護師不足やルーティン業務に追われ、患者との時間を持つことが難しい現実も抱えています。看護師が自信を持ってケアに臨むための環境整備が急務であると言えます。株式会社ケアコムは今後も医療現場のサポートを行い、看護の質の向上に貢献していく所存です。