ユース・ラグーンがニューアルバム『Rarely Do I Dream』を発表、新しい音楽の旅へ

ユース・ラグーンが新たな作品を世に送り出す

アメリカのアイダホ州を拠点に滑らかなサウンドスケープを築いてきたユース・ラグーン（Youth Lagoon）ことトレヴァー・パワーズが、待望のニューアルバム『Rarely Do I Dream』をリリースしました。本作は、彼の音楽キャリアにおける新たな一歩を象徴しており、特にプライベートな要素が色濃く反映された作品となっています。

このアルバムからは、2つのシングル「Speed Freak」と「Gumshoe (Dracula From Arkansas)」も公開され、リスナーの期待を一層膨らませています。「Speed Freak」は私的な告白が印象的で、一方で「Gumshoe」はウエスタンテイストのトレモロギターが印象的なユニークなトラックに仕上がっています。彼は自身の音楽を「森の中で死んだような気分にさせる」と語っており、この表現が非常に的確だと感じさせられます。

ホームビデオの発見と音楽の誕生

2023年の秋、トレヴァーは実家の地下室で数年前に撮影されたホームビデオが詰まった靴箱を発見します。彼は笑いながら、幼少期の思い出を振り返りながら、「これが人生だ」と語ります。このビデオの中には、イースターの卵探しや、裏庭での野球、さらには誕生日パーティーなど、彼の少年時代が詰まっています。これらの音源が彼の楽曲にインスピレーションを与え、音楽と個人の歴史を交差させる重要な要素となりました。

トレヴァーは、過去のサウンドをサンプリングしながら音楽的シネマトグラフィーを創作し、自らのメッセージを多層的に表現いています。そして、アルバム全体を通じて彼の音楽が「愛と幼少期の回想」に基づいていることがわかります。

アルバムの紹介とテーマ

『Rarely Do I Dream』は、アメリカのゴシックな創造性を巧みに取り入れた作品です。10代の放浪者やドラッグ中毒の詐欺師といったキャラクターが描かれており、それぞれが独自の物語を持ちながら交差します。エレクトロニカと幻覚的なロックが融合されたトラックは、その比類なきリズムと歌声によって前面に立ち、故郷の魅力を力強く伝えてきます。

彼は「人生のテープを巻き戻すほど、私の魂の声が聴こえてくる」と言います。この言葉には、単なる懐古趣味ではなく、彼自身の存在に対する深い考察と自己表現が込められています。

ユース・ラグーンの歩み

ユース・ラグーンは、2010年に活動を開始し、幻想的でメランコリックなサウンドを展開してきました。デビューアルバム『The Year Of Hibernation』から数アルバムを経て、2022年に再びユース・ラグーンとして活動を再開しました。2023年には『Heaven Is A Junkyard』を発表し、今回は5作目となるアルバムを引っ提げて北米ツアーをスタートさせます。