EV GROUPが新たに発表した次世代GEMINI®ウェーハ接合装置
2025年3月18日、オーストリアのザンクト・フローリアンで、EV GROUP(EVG)が革新的な全自動ウェーハ接合装置の次世代モデル、GEMINI®を発表しました。この新型装置は300mmウェーハに対応しており、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)製造のさらなる進化を目指すものです。
MEMS市場の成長とGEMINI®の役割
Yole Groupによると、MEMS市場は2023年に146億米ドルから、2029年には200億米ドルに成長する見込みです。この成長は、慣性センサーやマイクロフォン、さらにはスマートウォッチやトゥルーワイヤレスステレオ(TWS)イヤホンなどで使用される次世代MEMS技術が主要因となっています。これらのデバイスは外部環境からの保護が求められるため、ハイテクなウェーハ接合技術がますます重要です。
EVGの新型GEMINIシステムは、このMEMSデバイスの製造に欠かせない気密封止機能を提供し、加圧または真空下での精密な動作を実現します。金属ベースのウェーハ接合は、MEMSデバイスの製造において重要な役割を果たしており、今後もそのニーズは高まる一方です。
300mmウェーハへの移行
MEMSメーカーは、200mmから300mmの製造ラインへと移行を進めています。この移行にはより大きな表面積に対する荷重制御が必要であり、EVGのGEMINIシステムは、その要件を満たす能力を備えています。最大350kNの制御可能な荷重や、最低5 x 10^-6 mbarまでの高真空環境を提供することができ、MEMS製造業界において新たな基準を設定するでしょう。
EVGの次世代GEMINIの特長
GEMINIプラットフォームでは、最大4つのボンドチャンバーを搭載することが可能であり、これにより多様な接合プロセスを効率的に行うことができます。全自動の光学アライメント機能により、ユーザーのニーズに応じたカスタマイズも可能で、非常に柔軟な運用が期待できます。また、業界をリードする前世代の機能も継承されています。
EVGのコーポレート・テクノロジー・ディレクター、トーマス・グリンスナー氏は、「我々は30年以上にわたりMEMS業界向けに生産用ウェーハ接合装置を提供してきました。お客様やパートナーとの連携により、この市場のトレンドを捉え、計画を立てることができました」と述べています。さらに次世代ウェーハ接合システムGEMINIは、EVGの長期的なビジョンと経験を実現したものであり、MEMS業界における革新を促進する製品となるでしょう。
受注開始とデモンストレーション
新型のGEMINI®全自動量産用ウェーハ接合装置の受注が開始されており、オーストリア本社でのデモンストレーションも受け付けています。これにより、業界関係者がその性能を実際に体験できる機会を提供します。
詳細についてはEVGの公式サイト(
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EV Groupについて
EV Group(EVG)は半導体設計と集積化技術に革新をもたらすプロセスソリューションを提供する企業です。革新技術の探求を掲げ、マイクロ・ナノ加工技術の次世代アプリケーションを追求することで、顧客の新規製品開発を支援しています。ウェーハ接合、リソグラフィ、薄ウェーハ処理など幅広い技術によって、半導体製造前工程を強化し、エレクトロニクスやフォトニクスにおける進歩を可能にしています。詳細は
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