補助犬と共に生きる社会を目指す新たな挑戦
特定非営利活動法人日本補助犬情報センター(理事長:吉田文/神奈川県横浜市)が、身体障害者補助犬の理解と普及を促進するための新たなプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、障害者が社会に参加し、自立した生活を送るために補助犬が果たす役割を再認識することを目的としています。
身体障害者補助犬とは?
身体障害者補助犬は、視覚に障害を持つ方のための盲導犬、手足に障害がある方の日常生活を支える介助犬、耳の聞こえない方に必要な音を伝える聴導犬の3種類から成り立っています。これらの犬は特別な訓練を受けており、ユーザーの生活をサポートする重要な存在です。
補助犬に関する法律の現状
2002年に成立した身体障害者補助犬法により、盲導犬などの補助犬は公共施設や交通機関での受け入れが義務付けられています。しかし、21年以上が経過した現在でも、補助犬法について知らない人が多く、補助犬の同伴を断られる場面が後を絶たないのが実情です。2018年の調査によれば、約70.2%の人が法の内容を理解していないという結果が出ています。これは、補助犬ユーザーが日常生活での快適さや円滑な社会参加を確保する上で、大きな障壁となっています。
補助犬ユーザーの不安と期待
ショッピングや外食を楽しむ際に、多くの人は自由にお店を選ぶことができます。しかし、補助犬ユーザーにとっては、その選択が容易とは限りません。「今日はうまく受け入れてもらえるかな?」という不安を抱えながら店に入ることが日常的な経験となっているのです。このような不安を解消し、安心して外出できる社会を実現するために、「ほじょ犬Welcome」100%を目指す運動が始まりました。
ほじょ犬Welcomeの取り組み
日本補助犬情報センターでは、補助犬を歓迎する店舗や、補助犬用トイレが設置されている場所をGoogleマップ上に可視化するプロジェクトを進めています。この取り組みによって、補助犬ユーザーが安心して利用できる施設を増やし、彼らの社会参加を促すことを目指しています。現在も情報の収集を進めており、皆さんからの情報提供を歓迎しています。
また、補助犬を受け入れる店舗の掲載を希望する場合は、専用のフォームから申し込みができます。更新されたマップは、今後ますます充実していくことでしょう。
夢の実現に向けて
本プロジェクトは、一般に補助犬が歓迎されるというメッセージを広め、全国の飲食店や商業施設、医療機関、交通機関が補助犬を受け入れる姿勢を示すことを目的としています。すべての人が笑顔で生活できる社会の実現に向けて、日本補助犬情報センターはさらなる努力を重ねていきます。
4月1日は「April Dream」として、企業や団体が夢を発信する日。私たちもこの日に合わせて、補助犬ユーザーとその補助犬が安心して社会参加できる未来をつくるための夢を掲げています。
この取り組みによって、すべての人が豊かな社会生活を送ることができるよう、さらなる理解と協力をお願い申し上げます。