急性期脳卒中における食物繊維の効果に関する最新研究発表
2026年3月12日から14日、大阪市で開催された『STROKE2026』で、順天堂大学医学部附属浦安病院の脳神経内科である栗田尚英先生が「急性期虚血性脳卒中における高発酵性食物繊維含有経腸栄養剤の投与」というテーマで研究成果を発表しました。この研究は、臨床研究法に基づいた特定臨床研究として行われ、ネスレ日本株式会社が研究資金を提供しましたが、研究の計画や発表には直接関与しませんでした。
研究背景
脳卒中の急性期には腸内細菌叢の異常(ディスバイオシス)や短鎖脂肪酸の不足が見られ、これが全身性の炎症を引き起こし、予後を悪化させることが示されています。しかし、高発酵性食物繊維の早期投与が消化管耐容性や神経学的結果にどのように影響するかは、これまでのところ十分に検証されていませんでした。
研究方法
本研究では、急性期虚血性脳卒中患者に対して、入院後72時間以内に無作為に二つのグループに分け、経鼻胃管を使用して14日間の経腸栄養を行いました。介入群には、食物繊維を含む乳清ペプチド消化態流動食を、対照群には標準的な経腸栄養剤を使用しました。主要評価項目は、14日間の間の下痢発生率をブリストルスケールで評価し、さらに神経学的重症度を確認するためにNIHSSを用いることにしました。
研究結果
下痢の発生率には両群間で有意な差は見られませんでしたが、介入群では投与8〜14日後の水様便の出現日数と頻度が対照群と比べて有意に減少しました。さらに、対照群ではNIHSSが悪化する傾向を見せたのに対し、介入群は維持または改善の傾向が見られ、神経学的な悪化を抑える可能性が示唆されました。現在、この研究は腸内細菌叢や短鎖脂肪酸に関する詳細な解析が行われている段階です。
発表概要
研究の発表タイトルは「急性期虚血性脳卒中における高発酵性食物繊維含有経腸栄養剤の投与」、そして試験デザインはランダム化比較試験です。この研究は、脳卒中の新たな治療方法に関する知見を深め、今後の栄養療法の発展に寄与することが期待されています。発表者には栗田尚英先生を始め、多数の研究者が参加しました。
ネスレ ヘルスサイエンスの理念
ネスレ ヘルスサイエンスは、2011年に設立されたヘルスサイエンスに特化した企業で、現在では世界中で健康製品を展開しています。「栄養を通じて、人々のより健康的な生活を支援する」という目的を持ち、高品質で科学的に裏付けられた栄養ソリューションを提供しています。また、リーディングカンパニーとしての強みを生かし、脳卒中やその他の病気に対する治療法の研究に引き続き取り組んでいくことが期待されます。