美濃加茂市が新たな育児支援サービスを導入
岐阜県美濃加茂市は、2025年4月1日から区域内の育児支援を大きく進化させる新サービスの提供を発表しました。LINE公式アカウントを使って、乳幼児の一時的な預かりをオンラインで予約できる仕組みが整います。このサービスは、マイナンバーカードと連携し、簡便さとセキュリティを兼ね備えています。
従来の予約方法とその改善点
従来の予約方法では、利用者は予約申請書に必要事項を書いて市役所の窓口に行く必要がありました。このプロセスは時間がかかる上、営業時間内に行かなければならず、多くの家庭にとって負担となっていました。さらに、予約後には銀行振込を行う必要もあり、人手や時間を要するものでした。
しかし、この新しい取り組みでは、LINEを通じて24時間いつでも予約が可能になります。これにより、パート勤務や通院、冠婚葬祭といった多忙な生活の中でも、手軽に育児支援を受けられるようになります。
LINE公的個人認証サービスの導入
このサービスを支える技術の一つが、マイナンバーカードを使ったLINE公的個人認証です。この仕組みでは、利用者はLINE上でマイナンバーカードをかざすことで、住所、氏名、生年月日、性別といった基本情報が自動的に入力され、申請の手間が大幅に省かれます。これにより、住民はインターネットを介して、煩わしい情報入力を簡素化し、スムーズな手続きを実現しています。
美濃加茂市でのこの新しいサービスの導入は、岐阜県内で初めての試みであり、東海エリアでは3番目となります。これは他の自治体にとっても新たな事例となり、同様の積極的な取り組みを促す可能性があります。
住民サービスの向上
美濃加茂市は、2016年からLINE公式アカウントを開設し、市民に対する情報発信や緊急のお知らせを行ってきました。このたびの「乳幼児一時預かり事業の予約・オンライン決済」は、既存のサービスの一環として行われ、市民との双方向コミュニケーションを一層強化するものです。2023年10月には、市LINE公式アカウントが大幅にリニューアルされました。
新サービスの開始により、利用者は必要な時に必要なサービスにアクセスできる環境が整いつつあります。特に、子育て支援センターの入退館手続きもLINEから行えるようになり、家族育成のための新しい支援策が登場します。
技術的な背景とセキュリティ
美濃加茂市が導入した「GovTech Express」は、Bot Expressが開発した官公庁専用のアプリケーションです。このプラットフォームは、日本政府が求めるセキュリティ基準を満たし、個人情報が漏洩するリスクを最小限に抑えています。LINE上でのデータ入力は、直接Salesforceのシステムに保存され、個人情報がLINE内に残ることはありません。
現地の声
美濃加茂市の子育て支援課 課長、坂崎弘章氏は、「時間や場所を選ばず申請できることで、利便性が高まり、特にお子様連れでの窓口申請においては必要な時間を短縮できると期待しています」とコメントしています。市は今後とも利用者のニーズに寄り添ったサービスの提供を目指します。
おわりに
美濃加茂市の今回の取り組みは、住民にとって非常に大きな利便性の向上をもたらすものです。LINEとマイナンバーカードを活用したこの新しいシステムがどのように市民の生活を変えていくか、今後の展開から目が離せません。