医療業界で増加するカスタマーハラスメントの実態
最近、株式会社マイナビが発表した調査結果では、看護師、薬剤師、介護福祉士が日常的にカスタマーハラスメント(通称カスハラ)に直面していることが明らかになりました。この調査結果は、対象者に対する配慮が不足する中で、医療現場でのハラスメント問題が顕著となっていることを示しています。
調査結果の概要
調査では、看護師の54.1%、薬剤師の72.3%、介護福祉士の49.4%がカスハラを受けた経験があると回答しました。この結果から、特に薬剤師がカスハラの影響を強く受けていることが確認されました。また、薬剤師の86.5%、看護師の68.6%、介護福祉士の63.6%が何らかのカスハラを経験したと報告しています。
職種ごとのハラスメント実態
カスハラは、主に「威圧的な言動」や「精神的な攻撃」として現れ、看護師や介護福祉士は身体的な攻撃も多く受ける傾向があることが分かりました。薬剤師の場合、物品の交換や金品の強要といった特有のハラスメントも見受けられました。
メンタル面への影響
調査により、約60%の respondents がカスハラによって「メンタル不調」や「モチベーション低下」を経験していると回答。この状況は、業務の質と安全性に深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。特に介護福祉士では、職場内の風紀の悪化という別の問題も浮き彫りとなりました。
カスハラ対策の実施率
実際にカスハラ対策が実施されている職場は、業種問わず5割以下であり、看護師に至っては対策実施率が40%を切ります。これは問題解決のための意識改革が必要であることを物語っています。対策が行われている場合は、特に上司からの相談体制が効果を感じられていることが示されていますが、他職種との格差が見受けられます。
今後の方針と期待
また、カスハラ防止の条例の整備が進められている中で、その効果に対する意見も分かれています。多くの respondents が「罰則が必要」と感じており、施行される指針に対して懸念を示しています。このため、実効性のあるアプローチが求められています。
これらの結果を受けて、医療現場で働く方々が安心してサービスを提供できる環境を整えることが今後の課題といえるでしょう。