鈴与建設が旧東海大学第一高等学校のデジタルアーカイブを寄贈
静岡市の鈴与建設株式会社(以下、鈴与建設)が、旧東海大学第一高等学校の校舎をはじめとする解体前の記録データを東海大学付属静岡翔洋高等学校に寄贈しました。この寄贈は、同校が解体工事を始める2025年7月1日に先立って行われ、最新のデジタル技術を駆使したデータ保存が実現しました。
背景
鈴与建設には旧東海大学第一高等学校の卒業生が多く在籍しており、卒業生の同窓会が主催した「校舎への感謝とお別れ会」において、校舎の記録を後世に残すためのデジタルアーカイブ化が提案されました。土木工事部では、BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)の活用を目指して、レーザースキャナーやドローンといったICT(情報通信技術)機器を導入しており、これを活かして高精度な記録保存が可能だったとのことです。
目的
本デジタルアーカイブの寄贈には以下の目的があります。
- - 歴史ある教育施設の建築的価値の保存
- - 3次元デジタルデータによる建築資産の継承
- - 同窓生の母校への思いの永続的な保存
寄贈データの内容
寄贈されたデータは以下の通りです。
1.
地上型レーザースキャナーおよびドローンによる点群データ
数百万点の点データとして、建物の正確な3次元形状を記録しました。誤差はミリメートル以内で、精密な形状が保存されています。
2.
360度画像データ
校舎の内外を撮影したパノラマ画像により、立体的な空間記録ができています。特に体育館や武道館内部も詳細に記録されています。
3.
ドローン映像データ
地上からでは撮影が困難な部分も含め、様々な角度から立体的に捉えた映像が保存されています。
測量実施日
2025年6月23日(月)と24日(火)に実施されました。
特徴
このデータは高密度点群データを活用することで、建物の詳細な空間情報をミリ単位で保存することが可能です。将来的にはメタバース空間内での校舎の再現や、建築アーカイブとしてさまざまな形で活用されることが期待されています。こうした取り組みは、歴史的施設の価値を次世代に引き継ぐだけでなく、技術の発展とも手を携えて進められる可能性を秘めています。
まとめ
鈴与建設の寄贈によるデジタルアーカイブは、旧東海大学第一高等学校の大切な記憶を未来に伝える重要な施策です。このような技術の導入が、教育現場への新たな価値をもたらすことを示しています。卒業生や地域の人々にとっても、大切な母校の記録は、長きにわたり心に留まることでしょう。