ローソンが新しい雇用形態に挑戦、短期人材採用サービス「matchbox」を500店舗で試験導入

株式会社ローソンは、急な欠勤や人手不足の解消に向けて、新しい短期人材採用サービス「matchbox」を導入する実証実験を始めました。これは、12月12日（土）から関東エリアの500の店舗で実施され、約3ヶ月間の実験期間を経て2021年3月には全国への導入が予定されています。

「matchbox」は、オンラインで短期人材を簡単に採用できるサービスで、店側が勤務の3時間前までに求人を行い、求職者は自分の条件に合った店舗に応募する仕組みです。これにより、店舗側は直接雇用の形を取り、通常の人材派遣に比べてコストを20%から35%削減することが可能となります。

実験では、人工知能（AI）を活用したマッチング機能を使い、病気や私的な理由での突然の欠勤が発生した際に、1時間以内に人員を確保することを目指しています。また、給与の支払いに関しても、勤務が終了した後に即座に支払いが可能な立替えオプションを提供し、労務作業に伴う手間をほとんどなくすことを目指しています。

このサービスは、株式会社ローソンと関連会社であるローソンスタッフの協力によって実現しています。ローソンは、コンビニ業界において急な欠勤に対処するため、求職者が「空いた時間だけ働きたい」「副業で少しだけ勤務したい」というニーズに応える柔軟な働き方を提案しています。また、外国人材の採用も視野に入れ、スキルや業務の評価をデータベース化して、公平な評価につなげる取り組みも進められています。

さらに、今後は「matchbox+」という上位サービスの導入も計画されており、データベースに保存された経験者やOBを対象にした一括求人が可能になります。これにより、店舗は過去の業務経験を持つ人材を迅速に確保することができ、急な求人に対し、効率的な採用が可能となるでしょう。また、労務管理に関しても自動化が進むことで、外国人スタッフの雇用状況や就業時間の管理など、煩雑な手続きを軽減します。

この「matchbox」の導入実験は、ローソンがデジタル化に力を入れ、雇用側のコスト削減と柔軟な働き方を実現するための重要な一歩となります。「matchbox」は、働き手にとっても店舗にとっても、これまでの雇用形態とは異なる新しい雇用スタイルを提供することを目指しています。この新たなサービスによって、コンビニエンスストア業界の未来がどのように変わっていくのか、その成果に期待が寄せられています。