エニシアの革新技術が医療現場を変える
エニシア株式会社が新たに特許を取得した「AI医療サマリー利活用プラットフォーム」は、医療機関に蓄積された電子カルテ内の自由記述データを自動で解析・構造化する技術です。この革新技術により、患者の診療情報の共有がとてもスムーズになることが期待されています。
背景
地域医療において、患者の情報を他の医療機関に引き継ぐ際、単なる紹介状では十分な情報を伝えるのは難しいことがあります。また、電子カルテには多くの情報が詰まっていますが、記載形式は医療機関ごとに異なるため、受け手の医師は全体像を把握するために多くの時間と労力を費やさねばなりませんでした。これにより、医師や看護師、薬剤師、リハビリ職、介護職などが情報を探し出そうとする際の負担が大きいのが現状でした。
エニシアは、この現状を改善するために「AI医療サマリー利活用プラットフォーム」を開発しました。その特徴は、自由記述のデータを自動で解析し、時系列に沿ったデータを構造化し、さらに病名やトピック毎に再編成することで、医療者にとって必要な情報をわかりやすく提示することにあります。このプロセスは、特に多数の疾患を有する患者の複雑な病歴を瞬時に整理するのに役立ちます。
特許の特徴
このプラットフォームの主な特徴には三つのポイントがあります。
1.
自動解析・構造化
エニシアの医療言語処理AIは、医師が自由記述で入力した電子カルテのテキストを解析し、病名や薬剤、検査結果など重要情報を時系列で抽出します。
2.
病名・トピック別サマリー自動生成
抽出した情報を単なる羅列にするのではなく、特定の病名やトピックごとに整理したサマリーを自動生成します。患者の複雑な病歴も一目で理解できるようになります。
3.
迅速な概要把握
医療者は、まずAIが生成したサマリーで全体像を把握し、その後必要あれば原文を確認するという流れが可能に。これにより、情報把握の速度が格段に向上します。
技術の応用可能性
このプラットフォームは、臨床現場でのDX(デジタル・トランスフォーメーション)と働き方改革をもたらすことが期待されています。医療者はカルテを理解するために時間を費やすことなく、患者との対話や治療方針を考える時間を増やすことができます。
また、電子カルテに蓄積された非構造化データを構造化することで、これまで難しかった大規模データの解析が実現。これにより、臨床研究や創薬開発などにも大きな影響を持つことが期待されています。
エニシアのビジョンと今後
エニシアの代表取締役、 小東茂夫氏は、「医療現場には生まれるべき大切な「知」が多く存在する。その「知」を安心して活用できるようにしていくことが我々の使命だ」と述べ、医療情報の循環を目指しています。この特許取得により、医療者がより効率的に患者情報を把握できる環境が整うことから、医療の質向上に寄与することを強く期待しています。
今後もエニシアは、地域医療連携を支え、働き方改革を進めるためのプラットフォームを育てていくことでしょう。詳細はエニシア公式サイトで確認できます。