STマイクロエレクトロニクス、STB向け統合チップを新発表
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、セット・トップ・ボックス(STB)用の新しい統合チップ2製品を発表しました。この新しいチップは、ケーブル放送用の「STi5197」と衛星放送用の「STi5189」で、どちらも共通のアーキテクチャを持ち、ソフトウェアの互換性があるため、開発効率が大幅に向上します。
高性能化の実現
STマイクロエレクトロニクスが発表したSTi5197とSTi5189は、部品点数の低減に寄与し、高いパフォーマンスを実現します。これにより、STBメーカーはより迅速に製品化が可能になり、基本的なZapperボックスやDVRに加え、ハイブリッドSTB形式まで幅広く対応できます。
それぞれのチップは異なる復調機能を持っていますが、両製品ともにMPEG-2オーディオおよびビデオデコード処理が共通のため、開発期間の短縮やコスト削減に寄与します。この共通化により、製品開発が容易になり、コスト競争力も向上します。STi5197はITU-T J83 Annex A/B/Cをサポートし、STi5189は衛星放送向けのDVB-S標準に準拠しています。
有料放送市場への新しい一手
両製品は、DVB、DES、Multi2、ICAMデスクランブラに対応し、主要なコンディショナル・アクセス・セキュリティ方式を備えています。このため、有料放送サービス市場の拡大にも寄与することが期待されています。
さらに、STの上級副社長であるPhilippe Lambinet氏は、「STi5197は、既存のMPEG2デコーダの優れた実績をさらに強化し、新しい業界標準を確立するでしょう」と述べ、コストを抑えつつ低消費電力でコネクティビティ機能を提供すると確信しています。
追加機能でさらなる可能性を提供
両製品には共通の機能として、外付けFlashメモリ用インタフェースやUSB、イーサネット・インタフェースがあります。これにより、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)機能をHDDなしで実現するタイム・シフト機能の導入が可能となります。USBインタフェースは他のハードウェアとの接続を容易にし、イーサネット・インタフェースを用いてネットワーク対応ハイブリッドSTBの構築にも寄与します。
環境に配慮した設計
STi5197とSTi5189は、前世代製品に比べて高い処理性能を誇り、省電力モードを2種類搭載しています。これにより、コンシューマ製品に関するエネルギー効率の規制に沿った設計が可能になります。
まとめ
新たに登場したSTB向け統合チップは、業界の革新を促進する役割を果たすでしょう。STマイクロエレクトロニクスの製品は、次世代のSTB市場における競争力を向上させ、より優れた視聴体験を提供します。STとそのエコシステムが提供する共通の開発ツールとAPIにより、ソフトウェアの移植性や再利用の容易さが大幅に向上し、開発者にとっても魅力的な製品となっています。
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