堺市で始まる多言語対応AI観光ガイドの実証プロジェクト

2026年1月1日から、堺市は株式会社IP DREAMの協力を得て、最新技術を駆使した「多言語対応AIコンシェルジュ（堺観光ガイド）」の実証サービスをスタートします。この新しい試みは、特に訪日観光客を意識したもので、生成AIと翻訳AIを活用することによって、旅行者にとっての観光体験をより豊かにすることを目指しています。

簡単アクセスで多言語対応

このAIコンシェルジュは、堺市内の観光スポットを24時間、21言語で案内してくれます。観光客はQRコードをかざすだけで、アプリのダウンロードや登録を行う必要なく、容易に情報にアクセスできます。このシステムは、QRコードを設置したチラシや積極的なPRを通じて、大阪市内のホテルでも広められ、堺市への日帰り観光の促進につながることを期待しています。

地域情報を活用した観光案内

本プロジェクトにおいて、生成AIは堺市の観光情報に基づいて自動的に観光案内を行います。使用するデータは、大阪府の「ODPO（Open Data Platform in Osaka）」やテレビメタデータを持つ株式会社エム・データから供給されており、観光客へのサービスの質を高めることに寄与します。これにより、地域名や観光名所の正確な情報を多言語で提供する能力が向上します。

検証の重要なテーマ

この実証プロジェクトでは、いくつかの重要なテーマに基づいて効果を検証します。

- 堺らしさの表現: 堺市の特有の要素を活用し、堺市ならではの観光体験の質を向上させることが目標です。約1400件のデータを登録し、これらのデータの傾向と満足度を分析します。

- インバウンド観光向けの導線構築: QRコードを活用したチラシやホテルでの英語版フリーマップを通じて、堺市への誘導を試みます。特に、大阪市中心部から堺市までのアクセスの良さを強調し、訪問を促します。

- 翻訳の品質向上: 地元の固有名詞や観光名所の正確な翻訳を実現するため、辞書登録を行い、多言語対応の品質を向上させます。

持続可能なデータ運用の実現へ

このAIコンシェルジュは、信頼性の高い情報に基づいて運用されるため、観光客に正確で有益な情報を提供できます。また、国内の5つの都市（札幌、東京、名古屋、大阪、福岡）でも同様のフリーマップが配布され、地域特有のデータ収集を効率的に行い、将来的には更なる観光地への展開も目指しています。これにより、持続可能な地域情報サービスの確立が期待されています。