FMCG企業の国際戦略
2024-09-04 13:36:24

アジア太平洋地域のFMCG企業が描く国際展開の未来とは

アジア太平洋地域のFMCG企業の国際展開



ベイン・アンド・カンパニーが発表した最新の調査結果によると、アジア太平洋地域の主要な日用消費財(FMCG)企業は、海外市場への進出を加速させており、特に日本企業が目立った成長を見せています。2022年度のデータに基づくと、過去10年間においてこの地域のトップ50のFMCG企業の国内収益成長率は7%に留まる一方、海外収益は年間で11%も成長しており、その差は顕著です。

日本企業の活躍



特に日本の企業では、約3割が収益の50%以上を海外から得ています。この傾向は、韓国企業にも見られるものの、中国企業は主に国内市場に依存しているため、大きな収益を見込むことが難しい状況です。この国際化の進展には、国内市場の成熟、文化的影響力、政府の支援、外交関係などが多様な影響を与えています。

成功する業界



業界別に見ると、家電や電子機器の分野が特に国際展開を成功させています。調査対象のアジア太平洋地域に本社を置く上場企業の約60%が海外市場で半分以上の収益を上げており、消費者の好みが各市場で比較的一致することや、政府のサポート、高い製造コストといった要因が相まって競争が少ないことが成功の要因です。

一方、FMCG企業はまだ14%にとどまっており、国際化が進んでいないという現実が浮かび上がっています。この状況を打破するためには、企業が戦略を再検討する必要があるでしょう。

海外展開の3つのステップ



成功しているFMCG企業は、新たに進出する際、次の3つのステップを踏んでいます。まず初めに、隣接するアジア市場へ進出し、その後ヨーロッパや北米に展開、最終的には新興市場である中東、ラテンアメリカ、アフリカへの進出を目指します。この段階的なアプローチが、事業の成長を促進させています。

有効な戦略



また、調査では効果的な戦略も明らかになりました。以下の3つの戦略が特に重要です。

1. コアビジネスからの海外展開:自国内での競争力のあるビジネスを活用し、海外に進出する。
2. 新たなコアビジネスの構築:ターゲット市場で競争力が低い場合には、新しい製品またはブランドを開発する。資生堂の香水事業の成功事例がその一例です。
3. 国際市場向け開発:競争力のあるコアビジネスを持たない企業でも、自国内の製造面やデジタル機能を活用し、ターゲット市場でニーズに応える製品を開発する。

これらの戦略を組み合わせることにより、日本のFMCG企業がアジア太平洋地域での成長を牽引していることが明らかになりました。今後、この動きがどのように展開し続けるのか、今後も注目が必要です。

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ベイン・アンド・カンパニー
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