出生登録の重要性
2024-12-11 09:17:01

ユニセフが発表した出生登録の最新報告書の重要性

ユニセフが発表した出生登録の最新報告書の重要性



2024年12月11日、ユニセフは「人生の正しいスタート:出生登録の世界的現状と傾向、2024年版」という報告書を発表しました。この報告書によると、過去5年間で5億人以上の5歳未満の子どもが出生登録を受けており、現在では77%が法的に存在を証明されています。しかし、依然として1億5,000万の子どもたちは未登録であり、その存在はほとんど認識されていません。

出生登録の現状と課題


報告書は、世界全体の出生登録率が2019年の75%から増加したことを示しています。しかし、これは喜ばしい進展である一方、依然として多くの子どもたちが法的な身元を持たずに生きています。具体的には、出生登録された子どもたちのうち5,000万人以上が出生証明書を持っておらず、この書類は国籍取得や無国籍状態を回避するために必要なものです。

ユニセフの事務局長キャサリン・ラッセルは、子どもたちが法の下で存在を認められることが重要であり、基本的なサービスを受けるための条件でもあると述べています。つまり、出生登録により、子どもたちにとって法的保護が与えられ、さらに予防接種や教育を受けやすくなるのです。

地域ごとの出生登録率


地域別に見ると、中南米およびカリブ海地域では出生登録率が95%、東・東南アジアでは94%に達している一方で、サハラ以南のアフリカは51%と大幅に後れています。この地域では、未登録の子どもが9,000万人存在し、これが全世界の未登録子どもの半数以上を占めています。

特に注目すべきは、サハラ以南のアフリカでも地域によって出生登録の進捗が異なる点です。南部アフリカでは出生登録率が88%に達し、また西部アフリカは63%に達していますが、東部および中部アフリカは41%と低迷しています。このままのペースで進むと、2030年までに未登録の子どもは1億人を超える可能性があると報告されています。

出生登録の障壁


多くの家庭が出生登録に対して直面している障壁には、政治的な取り組みの不足や登録場所のアクセスの悪さ、登録手続きの複雑さ、登録料の負担、さらには地域における差別的な要素などが挙げられます。しかし、ボツワナが完全な出生登録を実施した例や、コートジボワールが90%以上に達した例など、進展を見せた国も存在します。これらの成功事例は、他の国々の模範となるものです。

ユニセフの取り組み


ユニセフは、全ての子どもがその法律的な身元を確保するために、以下の5つの主要な行動を呼びかけています。
1. 全ての子どもは出生登録を受け、その身元証明を得るべきである。
2. 登録手続きを効率化し、デジタル化を進めるべきである。
3. 保健や教育プログラムを活用した出生登録の促進。
4. インクルーシブで公平な市民登録のための法制改革。
5. コミュニティに対して市民登録の権利を啓発する。

ラッセル事務局長は、「進展は見られるが、多くの子どもたちの存在が依然として認識されていない」と強調し、出生登録によって全ての子どもが法的に保護されるべきであると改めて訴えています。

今回の報告書は、出生登録の重要性を再認識させるものであり、子どもたちが安心して成長していくための基本的な基盤作りの必要性を示しています。一日も早く、全ての子どもがその存在を認められ、必要なサービスを受けることができる社会の実現を期待しています。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
公益財団法人日本ユニセフ協会
住所
東京都港区高輪4-6-12ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016

関連リンク

サードペディア百科事典: ユニセフ 子どもの権利 出生登録

Wiki3: ユニセフ 子どもの権利 出生登録

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。