日鉄エンジニアリング、太陽光発電所「青柳ソーラーパークI」のFIP制度移行後の電力運用を受託
日鉄エンジニアリング株式会社は、SMFLみらいパートナーズ株式会社が出資する事業SPCを通じて所有・運用する太陽光発電所「青柳ソーラーパークI」について、FIP制度移行後の電力運用を受託すると発表した。
同社は、建設中の蓄電池についても、独自のエネルギーアセット最適運用支援システム「Think EMXS(TM)」の導入による最適運用の実施に向け検討を開始することで合意した。
近年、再生可能エネルギー(再エネ)の普及が進んでいる一方、日中の太陽光発電設備の発電量が電力需要量を上回ることで、出力制御(抑制)が急増している。また、FIT制度による国民負担の増大も社会課題となっている。
これらの課題を解決するため、経済産業省はFIP制度の導入促進を推進しており、再エネ電源の電力市場への統合を進めている。
SMFLみらいパートナーズは、「青柳ソーラーパークI」について、FIT制度からFIP制度への移行と蓄電池の新規導入を推進する。日鉄エンジニアリングは、FIP移行後の事業性検討から蓄電池の設置工事までをサポートする。
さらに、同社のAIプラットフォーム「Think Platform®️」上で開発・運用する「Think EMXS(TM)」を利用した太陽光発電併設蓄電池の運用計画策定、電力需給管理、蓄電池の充放電と電力取引まで一貫した最適運用サービスの提供に向けた検討を実施していく。
日鉄エンジニアリングは、エネルギープラントなどの建設・操業で培ったエンジニアリング技術と小売電気事業者としての運用知見を融合し、再エネ設備・蓄電池の導入検討、再エネの市場統合、調整力の需給調整市場への活用を含めた脱炭素・電力ソリューションを提供していく。
同社は、今後もカーボンニュートラル社会の実現と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
「青柳ソーラーパークI」の概要
所在地: 福岡県古賀市
太陽光設備:
容量: 2,634kW(DCベース)
運転開始: 2018年8月31日
蓄電池設備:
出力: 1,750kW(PCSベース)
運転開始: 2025年2月20日(予定)
スキーム図
SMFLみらいパートナーズ: 太陽光発電設備・蓄電池の所有・維持管理
日鉄エンジニアリング: 事業化支援、電力取引、需給管理、Think EMXSによる最適運用
FIP制度について
FIP制度は、再エネの最大限導入を目的に、FIT制度に代わる制度として経済産業省が推進しているもの。2022年4月から運用が始まり、FIT制度のように固定価格で買い取られるものではなく、売電価格に一定のプレミアム(補助額)が上乗せされる。発電事業者には発電計画と発電実績を一致させる義務が新たに課される。