パナソニックとtado°社が切り拓く未来の空調管理
2025年2月27日、パナソニック株式会社の空質空調社が、ドイツのIoTを活用した空調制御プラットフォームを展開するtado°(タド)社との資本業務提携契約を締結しました。本提携は、暖房機器メーカーとしては初となるもので、3,000万ユーロ(約48億円)の出資を通じて、多くのシナジーを生み出し新たな空調管理の時代を切り開くことを目指しています。
画期的な提携の意義
今回の提携により、tado°社のスマートサーモスタットとパナソニックのヒートポンプ式温水給湯暖房機(Air to Water、A2W)の連携が強化されます。このシステムは、室内温度、利用者の設定した温度、外気温などのデータを基に温水の温度や水量を最適に制御。これにより、エネルギーの消費量を最大約20%削減することが可能になります。
環境に優しいA2W
A2Wシステムは、大気中に存在する熱を集めて温水を作る仕組みで、化石燃料を使用した暖房機器に比べて大幅にCO2の排出量を減少させることができます。パナソニックは2008年よりこの技術を利用した製品の販売を行っており、暖かく快適な住環境とエコの両立を図ってきました。また、2023年には日系メーカーとして初めて、温室効果の低い自然冷媒R290(プロパン)を使用するなど、環境にも配慮しています。
tado°社と共に展開する未来
tado°社は、2011年に設立されたスタートアップ企業で、欧州で約100万世帯にサービスを提供しています。最近では、将来のユニコーン企業候補としても注目を浴びています。また、2024年3月には、スマートサーモスタットの製造・販売に加え、再生可能エネルギー由来の電力販売も行い、成長を続けています。
共同でのソフトウェア開発
資本業務提携を通じて、両社は製品・サービスの仕様の相互開示を行うことに加え、 A2W専用のソフトウェアを共同開発します。このソフトウェアでは、利用者の自宅での稼働状況やフィールドテストデータを分析し、さらに効率的な運転制御が可能となり、最終的には2025年9月に予定されるアップデートを通じて、エネルギー消費を最大30%削減することが目指されています。
既存の顧客層にお対しても、tado°社のアプリを採用した新デザインの導入や、マーケティング活動の共同実施が計画されています。これにより、パナソニックのA2Wシステムへのスムーズな置き換えを提案し、さらなる普及を図ります。
未来への期待
この新たな提携により、パナソニックはまた一歩、省エネルギーで持続可能な地球環境の維持へと近づくことが期待されます。快適な生活環境の提供と環境保護の両立を目指し、より良い未来へ向けた取り組みが進められることでしょう。今後、この省エネルギー技術がどのように進化し、広まっていくのか、目が離せません。