画像解析AIで図書館業務を革新する「KoKoBoシステム」
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社(SDH)は、株式会社サイバーコアと共同で画期的な図書館蔵書管理システム「KoKoBo(ココボ)システム」を開発しました。このシステムは2024年9月に導入予定であり、AI技術を駆使して図書館の蔵書点検の効率化を図ります。
KoKoBoシステムの開発背景
従来の図書館では、蔵書点検に数万冊の書籍を1冊ずつ手作業でバーコードを読み取るという煩雑な方法が用いられてきました。人手不足の影響もあり、作業負荷が増加し、館内サービスの低下も懸念されていました。こうした課題を解決する一手として、SDHがAI技術を利用した新しいシステムを開発したのです。
KoKoBoシステムの特長
「KoKoBo」には、画像解析AIを用いて書籍の背表紙を読み込み、データベースと照合する能力があります。これにより、蔵書点検を迅速に行うことができるだけでなく、ICタグの導入が不要となるため、コスト面でも非常に有利です。また、このシステムはクラウドベースであるため、さまざまな機器に搭載可能な柔軟性も持っています。特許も出願中で、今後の拡張も期待されています。
実証実験の成功
このシステムの実証実験は、岩手県平泉町にある「平泉町学習交流施設 エピカ」の図書館で行われました。ここでは、SDHが運営を受託しており、導入されたDX業務ロボット「ugo Pro」が自走して誌点検を実施しました。このロボットは、従来のスタッフが10日間かけて行っていた業務をたった2日で完了させ、高い効率性を証明しました。
今後の展望とSDHの取り組み
SDHは、2002年に図書館業務の受託を開始して以来、全国約100カ所の公立図書館の運営を行っています。KoKoBoシステムの導入によって、業務の効率化を進めるだけでなく、利用者とのコミュニケーションを深める機能を追加することも計画しています。新たに生まれた時間を利用して、より良いサービス提供に活用することが、同社の理念とも合致しています。
まとめ
図書館業務のDX化が進む中、KoKoBoシステムは効率化とサービス向上を両立させる大きな期待を寄せられています。今後、地域の図書館がどのようにこの技術を取り入れ、発展していくのか注目が集まります。
開発企業情報
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社は、公共施設の受託運営を行う総合サービス企業であり、株式会社サイバーコアは画像AI技術の開発に特化した企業です。両社の連携によって、より便利で効率的な図書館システムを実現させることが期待されています。