田中貴金属、創業140周年を祝うプレスカンファレンス
2025年に創業140年を迎える株式会社田中貴金属グループは、7月31日、東京の日本橋兜町にあるKABUTO ONEで「140周年プレスカンファレンス」を開催しました。このイベントでは、社長の田中浩一朗氏をはじめ、リテイリング部門を担当する田中和和氏、工業部門を担当する多田智之氏の3名が登壇し、田中貴金属の歴史や今後の展望について語りました。
創業から現在までの歩み
田中浩一朗社長は、創業当初の日本橋茅場町からスタートし、今や貴金属業界のリーディングカンパニーへと成長を遂げた過程を振り返りました。特に、貴金属を通して社会へどのように貢献してきたかについても言及し、その意義を強調しました。また、2085年に迎える創業200年を見据えて超長期戦略「TANAKA流の両利きの経営」を掲げることで、現在の価値創造と未来への挑戦を同時に進めていく方針を示しました。
CO₂削減と循環型社会への取り組み
田中社長はさらに、貴金属回収プロセスのCO₂排出削減に向けて、株式会社JEPLANとの新たな提携を発表。これは、サーキュラーエコノミーの実現を目指すもので、貴金属分野とプラスチック分野の相互協力によって脱炭素社会を実現することを目指しています。
リテール事業の変革
田中和和社長はリテール事業の現在の状況と今後の展開について説明しました。顧客ニーズの多様化に対応するため、資産用および宝飾品としての貴金属商品における新たな戦略を展開するとともに、継続的に「金の正しい知識」と取引の啓蒙を推進していく意向を示しました。また、来年11月21日には、直営店舗の名称を「ギンザタナカ」から「田中貴金属」へ変更することが発表されました。
産業用貴金属製品と技術革新
多田智之副社長は、産業用貴金属製品に関する技術革新や市場展開について触れ、貴金属のリサイクルと製品製造をつなぐことで循環型社会の構築を加速させる意向を示しました。特に、グローバルなリサイクル体制をさらに強化していく計画があると説明しました。また、水素社会や半導体、医療分野への取り組みを通じて、持続可能で健全な社会の実現に向けた努力が続けられていることも強調されました。
140年の歴史を振り返る展示
会場内では、田中貴金属の140年の歴史を広く伝えるため、年表や金価格推移グラフの展示が行われました。また、リテール事業と産業用貴金属製品に関する展示もあり、来場者は同社の専門性と成長を実感することができました。
今後の展望と「TANAKAルネッサンスプラン」
田中貴金属は、2085年に向けた超長期経営計画「TANAKAルネッサンスプラン」を立てており、技術開発と事業展開を継続的に推進して新たな価値創造を目指しています。今後も革新と挑戦を続け、より良い未来を築くための活動を展開する姿勢が明確に示されています。
田中貴金属の140年にわたる歴史は、単なる過去の出来事ではなく、未来へのしっかりとした基盤となり、さらなる挑戦へとつながることでしょう。