ミマキの脱色技術がロフトのグリーンイニシアチブを加速
近年、環境問題への意識の高まりから、企業のサステナビリティへの取り組みが注目されています。その中で、株式会社ミマキエンジニアリング(長野県東御市)が開発した革新的な印刷脱色技術が、株式会社ロフト(東京都渋谷区)の環境保護プロジェクトに貢献している事例が注目を集めています。
ミマキエンジニアリングは、産業用インクジェットプリンタなどを手掛ける企業です。同社が開発した「ネオクロマト・プロセス」は、印刷済みの布地から染料を完全に脱色する技術です。この技術を活用することで、使用済みタペストリーなどを再利用することが可能になります。
ロフトは、セブン&アイグループ傘下の企業であり、「ロフトグリーンプロジェクト」を展開し、環境配慮型の商品や取り組みを推進しています。今回の協業では、ロフト店舗で使用済みのタペストリーを、ミマキエンジニアリングの技術で脱色し、新しいデザインを印刷して再利用するという循環型システムを構築しました。
この取り組みは、池袋ロフトで11月からテスト運用が開始され、今後、廃棄物削減を目指した取り組みを拡大していく予定です。従来、イベントで使用されたタペストリーは、多くの場合、焼却処分されていました。しかし、ネオクロマト・プロセスを用いることで、布地の再利用が可能となり、廃棄物削減によるCO2排出量低減に大きく貢献します。
さらに、脱色された布地は、各地のタペストリー制作事業者によって再印刷できるため、ローカルエリアでの循環型経済の促進にも繋がります。この取り組みは、繊維製品のアップサイクルを実現するだけでなく、地域経済の活性化にも貢献する可能性を秘めています。
今回のプロジェクトでは、繊維循環プラットフォーム「BIOLOGIC LOOP」を運営する株式会社BP Labも協力しています。「BIOLOGIC LOOP」は、ファッション産業と消費者を繋ぎ、循環型産業への移行を目指したプラットフォームです。ミマキエンジニアリング、ロフト、そしてBIOLOGIC LOOPの3社による連携は、サステナブルな社会の実現に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
ミマキエンジニアリングは、今後もネオクロマト・プロセス装置の製品化を進め、各地の印刷事業者への提供を目指しています。これにより、より多くの企業が、サステナブルな取り組みを容易に実現できるようになることが期待されます。
ミマキエンジニアリングの経営ビジョンは「新しさと違い」。同社は、常に技術革新に挑戦し続け、お客様のニーズに応える製品・サービスを提供しています。今回の取り組みも、そのビジョンの表れと言えるでしょう。ロフトのグリーンイニシアチブとミマキエンジニアリングの革新的技術が融合したこのプロジェクトは、企業の社会的責任を果たすための取り組みとして、大きな成功を収める可能性を秘めています。
この取り組みは、単なる環境保護活動にとどまらず、経済効果や地域活性化にも貢献する、持続可能な社会構築に向けた重要な一歩となるでしょう。今後、このモデルケースが他の企業にも広がり、サステナブルな社会の実現に繋がることを期待したいです。