渋谷から福岡へ、都市間をつなぐ新たな試み
東京・渋谷発の持続可能な食文化を育むための取り組みが、九州北部の福岡市天神で始まります。これは、ローカルフードサイクリング株式会社が主導し、NPO法人循環生活研究所と共に進める「天神LFCプロジェクト」です。都市における持続可能な資源循環を目指すこのプロジェクトでは、渋谷で育てられてきた固有種「渋谷ルッコラ」を福岡で定植するという新しい試みが行われます。
「渋谷ルッコラ」の魅力
「渋谷ルッコラ」は、渋谷のコミュニティガーデンで地域住民によって何年もかけて育てられた固有種です。この種は、NPO法人アーバンファーマーズクラブによって運営される「リバーストリートファーム」などの場所で大切に受け継がれています。生ごみをコンポストに変え、それを土壌に還元し、再びルッコラを育てるという循環的な農業方法が施されています。渋谷の住民が共に支え合う中で誕生したこのルッコラは、単なる野菜ではなく、地域のつながりを象徴する存在になっています。
天神LFCプロジェクトの概要
「天神LFCプロジェクト」は、ローカルフードサイクリング(Local Food Cycling)の”。このプロジェクトの背景には、都市で生成される生ごみを資源として最大限に活用し、持続可能な農業を実現するという理念があります。
福岡の天神地区で2016年に始まったこのプロジェクトには、パタゴニア福岡ストアをはじめとする多くの企業や地域の飲食店、保育園などが参加しており、約15の組織が協力しています。これにより、地域内で生まれる生ごみを堆肥化し、地域の気候に適したさまざまな野菜を育てています。「おいしい循環」を通じて、地域住民が食と環境に対する意識を高める一助となることが期待されています。
イベント「天神ルッコラを育てよう!」
この新しい提携の出発点として、キックオフイベントが2025年11月23日に開催されます。場所は、福岡市中央区のパタゴニア福岡ストアです。イベントでは、「渋谷ルッコラ」の生みの親であるアーバンファーマーズクラブの代表、小倉崇氏をスペシャルゲストとして迎え、都市における資源の循環と未来の種について語り合います。参加者はルッコラの試食や種まき体験を通じて、実際に“おいしい栄養循環”を体験できる内容となっています。
イベント詳細
- - タイトル: 天神ルッコラを育てよう!
- - 日時: 2025年11月23日(日)19:30~21:00(19:15開場)
- - 場所: パタゴニア福岡ストア
- - 参加費: 無料
このイベントを通じて、地域の人々が協力し、持続可能な食の文化を築くための第一歩を踏み出すことが期待されています。食と環境の関係性を深めることが、都市に暮らす私たちにとってどれほど重要かを再認識する機会にもなることでしょう。
まとめ
「天神LFCプロジェクト」は、都市間の連携を通じて資源循環と食文化の再生を図る革新的な試みです。地域と共に育てる「天神ルッコラ」は、その象徴とも言える存在です。このプロジェクトによって、関わるすべての人々が持続可能な未来に向けて一歩を踏み出せることを願っています。