神戸市が空き家・空き地対策を強化
近年、適切に管理されていない空き家や空き地が地域の防災や防犯、衛生、景観に深刻なリスクをもたらすことが懸念されています。兵庫県の中でも神戸市は特にこの問題に対処するため、2016年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」と「神戸市空家空地対策の推進に関する条例」を施行し、改善に向けた取り組みを強化しています。2024年度の取り組み状況をまとめましたので紹介いたします。
1. 改善指導の進捗
2024年度に向けて、神戸市では適切な管理がなされていない空き家や空き地について、所有者が判明した場合には自主的な改善を促しています。この取り組みは、近年施行された法改正により、「特定空き家になる危険性がある物件」に対する指導や勧告を行うことができるようになりました。この制度により、管理不全の空き家に対する情報提供や改善依頼が強化されました。
2024年内には、空き家や空地に関する指導の件数が増加すると予想されています。特定空き家として指導された事例は、2024年4月~5月の間に集中的に行われる予定です。
2. 主な改善事例
(1) 自主的改善
法・条例に基づく改善指導に従った結果、所有者による自主的な改善が進展しています。地域住民の協力により改善された事例も増えており、地域環境の向上に貢献しています。
(2) 解体補助の実施
また、神戸市では生活環境への悪影響を未然に防ぐため、活用の見込みが少ない老朽化した空き家の解体を補助する制度も整っています。2024年度には811件の解体補助が行われ、2019年度からの累計では4,074件に達しました。この施策により、快適な住環境作りが進行中です。
3. 対応状況について
2024年度末時点での神戸市における空き家や空き地への対策状況についても、継続的に情報を公開しています。改善件数や指導内容など、透明性を持たせることで市民の理解を深めることが目的です。
4. 特命チームによる財産管理制度の活用
さらに、市長による申立が可能となった財産管理制度を積極的に活用する特命チームが設立されました。このチームには弁護士も加わり、所有者不明の空き家や危険な物件に対して管理人を選任しました。2023年度には3件の申立が行われ、今後も地域環境に配慮した取り組みを進めていく予定です。
新たに選任された管理人は、所有者の代わりに修繕や解体、売却を行うことで、地域の人々に安心を提供します。今後も神戸市はこの制度を活用し、空き家問題の早期解決を目指します。
まとめ
神戸市が推進する空き家や空き地の改善への取り組みは、地域住民の生活環境に直結する重要な施策です。解体補助の実績が示すように、持続可能で快適な街づくりへの道を切り開き、未来の神戸をより好ましいものとするために、今後も様々な努力が続けられるでしょう。