千葉県での下水道調査テストの成果
2026年2月26日、日本エレクトロセンサリデバイス株式会社(NED)が、株式会社センエーと協力し、千葉県内の大口径雨水管(直径2,000mm、全長316m)において、高画素展開カメラ「Smart Pipe Inspection System(SPIS)」の走行テストを実施しました。このテストは、下水道インフラの維持管理が喫緊の課題となっている中で、同社の技術力を示す重要な機会となりました。
テストの目的と内容
NEDは業界初の500万画素搭載の自走式展開カメラシステムを用いて、複雑なさまざまな条件で検査画像の精度や管内の走破性を検証しました。その結果、大口径の管路においても非常に高い有効性が確認されました。特に、今回のテストでは以下の点が強調されています。
- - 高精度な再現性の実証: 管内に残されたチョーク跡を計測した結果、その線幅は約3.7mmであり、一般的なチョーク幅(3〜5mm)と合致していました。これは大口径管においても正確な寸法再現性を示唆します。
- - 視認性の向上: 2,000mmという巨大な管内においても、全域で鮮明な展開画像を取得することに成功しました。この成果は、従来困難とされていた大口径管での欠陥ランク検査の高精度化に向けた貴重なデータとなります。
SPISの特長と利点
SPISの導入により、さまざまな課題が解決されることが期待されています。具体的には、以下のような点が挙げられます。
1.
欠陥見落としの解消: 500万画素という高解像度と広視野角(220°)により、微細な亀裂までも鮮明に検出することが可能です。これにより、管全延長の情報を高画質で記録できるため、必要な時にデータを迅速に確認できます。
2.
作業時間の短縮: SPISの展開式特性により、調査時間を従来の直視カメラと比較して1/10に短縮できます。これにより、調査や解析に要する工数を38%削減することが計算されています。
3.
AI技術との連携: 高解像度画像を基にしたAI自動診断への展開が可能であり、調査報告書作成などの事務作業を効率化することができます。
4.
定量的な診断の実現: 管の中心を一定姿勢で走行し、欠陥の定量的な測定が実現します。これにより、管状態の高精度なランク管理が可能になります。
企業の背景と今後の展望
NEDは1975年に創業し、大阪を本社とする産業用カメラメーカーとして、ラインスキャンカメラや画像処理システムで高い評価を得ています。特に、半導体検査から下水道インフラ調査にかけて幅広い分野でのマシンビジョン技術に強みを発揮しています。
一方、センエーは創業90年を迎える下水道管路管理のプロフェッショナルで、千葉市を拠点に廃棄物収集や管路管理に携わっています。両社の技術力が結集することで、今後の下水道インフラの維持管理のさらなる進化が期待されます。
今回のテストで得られたデータをもとに、さらなる性能の最適化や操作性の向上が図られ、未来のインフラ管理に寄与することを目指しています。