アークエッジ・スペースが開発した超小型衛星DENDEN-01
株式会社アークエッジ・スペースは、関西大学や福井大学、名城大学との共同研究により開発した超小型衛星DENDEN-01を運用開始しました。この衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)から放出されており、宇宙での通信にも成功しています。
DENDEN-01の概要
DENDEN-01は、10cmの立方体(1Uサイズ)の超小型人工衛星です。日本時間2024年12月9日、ISSの「きぼう」実験棟からの放出後、試験電波による通信を介して衛星情報の取得に成功しました。さらに、920 MHz帯の小型低消費電力無線通信機によるバックアップ通信機能も確認されています。今後は約1ヶ月間の初期運用を行った後、予定されているさまざまな実証実験に移行します。
開発に至る背景
DENDEN-01は2021年度に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した「きぼう」からの超小型衛星放出機会プログラム(J-CUBE)に採択されました。この衛星では、「固-固相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)」を使用した電源温度安定化装置など、先進のエネルギー技術をエンドユーザー向けに実証する役割を果たします。これにより、未来の超小型衛星開発に向けた重要なステップになるでしょう。
通信インフラと実験内容
アークエッジ・スペースは、静岡県に設置された3.9mのパラボラアンテナと、東京電機大学が所有する3mのパラボラアンテナを用いて地上との通信を行います。また、960 MHz帯小型低消費電力無線通信機によるバックアップ通信機能の検証を行い、その過程で得られたセンサデータを衛星を通じて取得します。これにより、ストアー・アンド・フォワード技術の実証も行われる予定です。
アークエッジ・スペースのビジョン
アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの設計、製造、運用までを一手に行うスタートアップ企業です。”衛星を通じて、安全で豊かな未来を”という理念のもと、地球観測や船舶向け通信、IoTデータ収集など、幅広いミッションを推進しています。そして、月面活動や深宇宙探査に向けた新たな衛星インフラの構築にも挑戦し、宇宙の開発利用を更に加速させる意欲を持っています。
さらなる情報
DENDEN-01に関する詳細は、
公式プロジェクトサイトや、2024年6月25日付の報道発表資料をご覧ください。また、アークエッジ・スペースの最新情報やプロジェクト進捗については、
公式ウェブサイトを訪れてください。
超小型衛星DENDEN-01の運用とその結果、今後の宇宙産業における新たな技術基盤が築かれることに大いに期待しています。