昭和の木造共同住宅が生まれ変わる
神戸市兵庫区に新たな地域交流の拠点、「氷室ばなな」が2024年11月23日にオープンしました。この施設は、国際交流シェアハウスを運営する株式会社マチアケによってリノベーションされたもので、店舗、地域交流スペース、シェアハウスが一体となっています。
増加する空き家問題
近年、空き家の数は年々増加しており、令和5年の調査では全国で約900万戸、空き家率は過去最高の13.8%に達しています。その中で、兵庫県にも38万戸以上の空き家が存在します。この背景には、人々が新築住宅を求める一方で、既存の住宅の魅力を活かす必要性があることが挙げられます。
密集市街地の現状
神戸市が指定する密集市街地は、防犯や防災の問題を抱えつつ、日当たりが悪く、古い住宅が立ち並んでいます。こうした地域は、空き家や空き店舗が多く、人々のつながりも薄れてきているため、地域コミュニティの再生が求められています。マチアケはこのような地域の活性化に向けた新たな取り組みを行っています。
「氷室ばなな」の特徴
「氷室ばなな」では、昭和30年代に建てられた木造共同住宅が改装され、店舗と地域交流スペースを設けました。また、交流スペースは地域住民が集まる憩いの場としても機能しています。特に、狭い前面道路では新築が困難であったため、既存の建物を活かすことで新たな利用方法を模索しました。
新しい施設では、空いていない時間帯には地域の方々に開放されるスペースも設けられており、借主には家賃の減免が行われるシステムが導入されています。これは地域の活性化に寄与するための取り組みであり、店舗として利用しながら地域とのつながりを持つ新しい形態となっています。
見学のご案内
「氷室ばなな」の見学は、水・日曜日・祝日を除く午前9時から午後6時まで可能で、事前の連絡が必要です。地域に愛着を持てるような空間作りを目指し、マチアケはこの文化住宅が地域に新たな息吹をもたらすことを期待しています。
まとめ
今後、地域コミュニティの拠点として「氷室ばなな」がどのように発展していくのか、そして周辺の環境がどう変わっていくのかが注目されています。代表の玉井智洋氏は、「この場所が地域の賑わいの拠点となり、他の物件にも良い影響を与える事例となってほしい」と願っています。