2024年度診療報酬改定が開業医に与えた影響
2024年度の診療報酬改定が、開業医の収益に深刻な影響を与えていることが、株式会社ギミックが実施した調査で明らかになりました。この調査には、全国の433人の開業医が参加し、診療報酬改定の収益への影響についての認識を尋ねました。結果として、全体の60.7%が「収益が大きく減少した」または「減少した」と回答し、わずか3.0%が「増加した」と答える一方、34.4%は「変わらない」としており、過半数のクリニックがこの改定による減収を実感していることが分かりました。
特に内科系クリニックでは68.4%が減収を報告しており、他の診療科目よりもその影響が顕著であることもわかりました。これにより、医療従事者の処遇改善や医療DXの推進といった改定の目的が、現場の運営には困難を伴っていることが浮き彫りになりました。
収益減少の主な要因は
開業医が収益減少の主な要因として挙げたのは、「初再診料の引き上げと処方箋料の引き下げ」で、73.9%がこれに該当すると回答しました。この改定では、初診料が3点、再診料が2点引き上げられた一方で、院外処方箋料は8点減少したことが、大きな収益の落ち込みにつながっています。
次に多かったのは「医療従事者の賃上げ」で、50.7%が影響を受けたと回答。特に内科系以外のクリニックでは59.7%がこの影響を受けたとのことです。また、「医療DX推進体制整備加算の新設」を挙げた開業医も28.3%に達しました。
クリニックの対応策
診療報酬改定に対して、何らかの対応策を行ったと答えたクリニックは45%でした。自由診療の拡大や検査・処方の精査といった診療内容の見直しが目立っており、院長自らが経費削減に取り組む姿勢も多く見受けられました。これにより、個々の医師が「痛みを引き受ける」といった経営者としての姿勢が強調され、経営の健全化を図る動きも見られます。
さらに、医療DXの推進により、診療報酬加算の獲得や業務の効率化も果たす取り組みが活発化しています。ITに不安を感じる医師であっても、これらの機会を通じて経営が安定化する可能性があります。
今後の医療環境に向けて
今回の調査を通じて、2024年度の診療報酬改定が開業医の収益に大きな影響を及ぼしていることが再確認されました。特に注目すべきは、医療DXの推進です。厚生労働省もこの項目を主要なポイントとして位置づけており、将来的に診療報酬加算を得るための手段としてだけでなく、業務の効率化にも寄与することを期待されています。 医療業界は日々変化していますが、開業医が新たな挑戦に立ち向かい、地域医療の向上に貢献していくことが重要です。
調査概要
- - 調査期間: 2025年3月17日(月)~3月26日(水)
- - 調査対象: 全国の30~90代の医科の開業医
- - 回答数: 433人
- - 調査方法: インターネットパネル調査
詳細な調査結果の閲覧
ギミックが実施した開業医調査の詳細は
こちらからご覧ください。また、『クリニック未来ラボ』では、医療DXや医師の働き方改革など、様々な開業医関連の調査を行っています。 これからの医療業界に対するアイデアを見つけるためにぜひご覧ください。