売掛金のトークン化デモ、シンガポールフィンテックフェスで展示
株式会社NTT Digitalは、AmazonおよびStraitsXとのパートナーシップを通じて、デジタルウォレットによる売掛金のトークン化を実現するユースケースを展示する予定である。この展示は、シンガポール金融管理局が主催する世界有数のフィンテックイベント「Singapore Fintech Festival」において行われる。開催日程は2024年11月6日から8日まで。このイベントは、金融分野における最先端の技術や革新的な提案が集まる場として、多くの業界関係者の注目を集める。
出展されるデモアプリでは、Amazonの売掛金をトークン化し、デジタルウォレットを通じて受け取り、模擬交換所でそのトークンを取引する操作を体験できる。参加者は、最終的にStraitsXが発行するシンガポールドルに連動したステーブルコインXSGDを受け取ることができ、実際の取引体験を通じてデジタル資産の活用方法を学ぶことができる。このXSGDはシンガポール金融管理局による適正な規制のもとで運用され、信頼性の高い手段として評価されている。
通常、マーケットプレイスの出品者が売掛金を回収するには、最大で90日かかる場合があるが、このトークン化ソリューションにより、資金をより迅速に回収できる可能性が示されている。デモは単なる技術紹介ではなく、今後の商業利用を見据えた実用的な知見を得ることを目的としている。これにより、企業や中小企業がトークン化された資産を通じて、低コストで取引を行う新たなビジネスモデルの創出が期待される。
新サービス「scramberry WALLET SUITE」を強化
2024年9月から法人向けにサービスを提供している「scramberry WALLET SUITE」は、2024年11月1日に行われたバージョンアップで海外ユーザーへの対応を開始した。このアップデートにより、ブラウザアプリとしても開発が可能となり、Webサービスやスマートフォン向けのネイティブアプリに簡単にウォレット機能を組み込みができる。このような機能の向上により、NTT Digitalはサービス展開の加速を図る。
「Singapore Fintech Festival」で実施されるデモは、この最新のscramberry WALLET SUITEの機能を活用したものであり、より多くの企業がこの技術を取り入れる機会となるだろう。
今後の方向性とデジタルアイデンティティの取り組み
NTT Digitalは、今後「scramberry WALLET」と「scramberry WALLET SUITE」のユースケースを拡大すべく、2025年上期にはデジタルアイデンティティの分野への進出を目指している。この取り組みは、ユーザーがマネー(暗号資産やステーブルコインなど)や様々なオブジェクト(チケットや会員証など)を安全に扱える環境を提供することを目的としている。これにより、デジタル資産の利用が一層進むことが期待されている。
今後もNTT Digitalは、実証実験やデモンストレーションを通じて、その技術を広く知らしめていく方針であり、新たなビジネスモデルやサービスの創出を目指す。各種発表に注目し、次世代のデジタルソリューションの発展を見守っていきたい。
企業情報
株式会社NTT Digitalは、東京都千代田区永田町に本社を構え、先端デジタル技術の社会実装を推進する企業である。ブロックチェーン技術を始めとするデジタル技術の普及を目指し、グローバルに展開する予定だ。公式サイトではさらなる情報が提供されているため、ぜひ訪れてみてほしい。
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