TOPPANホールディングスとザ・ファージが新たな協業契約を締結し、保健機能食品の開発支援事業を展開することを発表しました。この取り組みは、加速する高齢化社会において、予防行動の振興や医療費の適正化を目指すものです。近年、保健機能食品の需要が増大していますが、その開発には様々な課題が存在しています。目指すは、血糖値に関連した保健機能食品の新規開発から販売までを一貫して支援する体制の構築です。
協業の背景
高齢者の数が増加する中で、医療費や介護費の負担が増大しています。このため、予防医療の重要性が一層高まっており、生活習慣病の予防に向けた取り組みが求められています。また、保健機能食品を開発するには、多数の工程が必要であり、特に臨床試験や成分の特定、被験者管理などで多大なコストがかかります。TOPPANホールディングスは、グループ内の強力なデータ管理技術を活かし、ザ・ファージの食後血糖値解析技術と組み合わせることで、この課題に取り組むことを決めました。
具体的な事業内容
事業は大きく二つの柱から成り立っています。第一の柱は、血糖値を主な対象とした保健機能食品の研究開発支援です。ザ・ファージの血糖値解析技術を使い、候補成分を摂取した際の血糖値のシミュレーションやデータ解析を行います。このプロセスにおいて、TOPPANが臨床試験で必要な被験者の管理や支給品の配送、コールセンターの運営を担当し、スムーズなエビデンス取得を支援します。
第二の柱は、保健機能食品のパッケージ開発とプロモーション支援です。保健機能食品は通常食品とは異なり、特に健康増進法や食品表示法に則った対応が求められます。TOPPANグループは、これらに基づいた効果的なパッケージやプロモーションの企画においても全面的にサポートを行います。
将来への展望
TOPPANホールディングスとザ・ファージは、2025年を目標に保健機能食品の開発支援事業を開始する意向です。また、臨床研究を通じて得られたヘルスデータを基に、新たなサービスの創出にも注力し、社会全体の健康寿命の延伸に寄与していく計画です。
ザ・ファージの紹介
東京都渋谷に位置するザ・ファージは、2021年に設立され、保健医療分野に特化したAI技術の開発を行っています。本社では「glucose flight」という糖尿病支援システムの開発を進めており、個別化された健康提案を行うことを使命としています。
TOPPANグループは新たな市場と事業創出を目指し、これまでに国内外の約60社へのベンチャー出資を行ってきました。このように両社の知恵を結集することで、社会に新しい価値を提供していくことが期待されています。