2024年の労働者1万人調査が示す「働きがい」とは
ディップ株式会社は、株式会社ビジネスリサーチラボとの共同による大規模な調査を実施し、労働者1万人の幅広い雇用形態における「幸せマッチング調査(2024)」の結果を発表しました。この調査は、企業が求める「働く幸せ」を深く探求し、現代社会における様々な働き方の実態を反映しています。
調査の背景
近年、環境政策の一環としてウェルビーイングが重視される中、日本社会も変化を迎えています。2024年に閣議決定された「第六次環境基本計画」では、「高い生活の質」を新たな成長の指標として掲げ、企業や個人の幸福度向上が求められています。こうした背景を受け、当社は、パート・アルバイト、派遣社員、正社員を対象に、彼らが感じる「働きがい」と「幸せ」を分析しました。
調査内容の概要
本調査では、働く場合の幸福度を33の要素に分解し、仕事への期待度と職場での満足度を2つの軸として評価しました。この結果、正社員に比べてパートタイム労働者が感じる幸福の幅は約4倍も多様で、期待する要素の範囲が広いことが明らかになりました。また、スポットワークに従事する人々は、期待度が+11%、満足度が+8%高いという結果も出ています。これは、複数の仕事を持つことで、より多くの満足感を得ていることを示唆しています。
具体的な結果
1.
幸福を構成する33の要素
各労働者が「何を幸せと感じるか」というテーマに焦点を当て、33の要素を抽出しました。一人ひとりの価値観が異なることを前提とし、これら要素の重視度と充足度を評価していることが特徴です。
2.
パートタイム労働者のバラつき
パートタイム労働者は、幸福感を感じる要素が多様であることがわかりました。特に、心身の健康やゆとりを重視する一方、正社員はキャリアの成功やリーダーシップを重視する傾向が見られます。
3.
スポットワークの魅力
スポットワークをする労働者は、仕事への期待感や職場での満足度が高く、創造性の発揮や評価への満足度も向上しています。このデータから、柔軟な働き方が個人の幸福感に寄与する可能性が示されています。
結論
この調査は、働く幸せについての新たな視点を提供するものです。企業にとって、これらのデータは人材マネジメント戦略を見直す手助けになるでしょう。特に、ウェルビーイングを重視する現代において、多様な雇用形態に対応した人事施策を採用することが求められています。
労働市場が変化する中、企業はより柔軟な働き方を取り入れることで、働く人々が自分らしく幸せに働ける環境を整えることが急務です。あらゆる労働者が持っている「働く幸せ」を理解し、企業の成長とともに個人のウェルビーイングも向上させることが、これからの時代の鍵となるでしょう。
この調査の結果を契機に、より多くの企業が労働者の幸せを重要視することを期待しています。