東急リゾーツ&ステイによる国際的な人材確保の取り組み
近年、宿泊・観光業界は人手不足に直面しています。特に少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口の減少が影響し、サービス業における労働力が不足しています。そのため、東急リゾーツ&ステイが新たに特定技能として海外人材の採用を開始したことは、業界全体への大きな影響を及ぼす可能性があります。
人手不足への対応
東急リゾーツ&ステイは、「東急ハーヴェストクラブ」や「東急ステイ」といった多種多様な宿泊施設を運営し、年間700万人以上のお客様に利用されています。しかし、特に調理やサービスを担当する人材の確保が難しい状況にあります。これにはインバウンド需要の回復も影響しており、一層の人手不足が問題化しています。そこで、特定技能を有する海外人材を52名採用することが、即効性のある対策として実行されることとなりました。
海外人材の採用背景
今回の施策は、株式会社ONODERA USER RUNが実施する現地無償教育機関の協力を得て進められています。これにより、多様性を持ち、安定した運営を支える新しい人材を確保することが期待されています。特に、今回入国したのはミャンマーとフィリピンからの人材であり、それぞれ異なる文化を持つ彼らが持ち込む新たな視点は、組織の活性化にもつながるでしょう。
研修と育成のプラン
52名のうち、30名が既に入国し、東急ハーヴェストクラブ斑尾での約2か月間の現場研修を受ける予定です。この研修では、日本文化を理解するための座学、調理やホールの実技研修、さらに実務を行いながらの研修(OJT)が行われます。その結果、エキスパートとしての成長が期待されています。また、残る22名は2025年に入国予定で、さらなる人材補充が図られます。
中長期的なビジョン
もっとも、この取り組みは単なる一時的な解決策ではありません。東急リゾーツ&ステイは2033年までに正社員全体の約30%を海外人材で占めるという長期的なビジョンを掲げています。これによって、多様性に富んだ組織を形成し、国籍や宗教、性別によらず、平等な活躍の場を提供することに努めます。また、今後は韓国や中国、インドネシア、インド、ネパールなどからの人材受け入れも計画しており、グローバルな視点での組織改革を進めています。
結論として
東急リゾーツ&ステイの特定技能海外人材の採用は、宿泊・観光業界の深刻な人手不足に対抗する革新的な試みといえるでしょう。多様な文化を持つ人材を受け入れることで、サービスの質を向上させ、さらには企業の成長にも寄与することが期待されます。この動きは今後、観光業全体に波及効果をもたらすかもしれません。