当社は、2025年度から2027年度の3ヵ年を通じて新たな中期経営計画「terrAWell30 2nd stage」を立ち上げます。この計画は、2030年度に達成を目指す「terrAWell30」のビジョンに沿ったもので、これまでの取り組みを踏まえた成長戦略となっています。まず、前の中期経営計画「terrAWell30 1st stage」を振り返ると、2010年から実施を始めたこの計画は、2022年度に売上収益1兆円を達成し、持続可能な成長の基盤を築きました。これは、気候変動や超高齢化といった社会課題に対応し、地球環境とウェルネスの2つの成長軸に基づくものです。
前中期計画では、販売収益が年平均成長率でそれぞれ6.6%、営業利益4.9%に達するなどの成果を上げました。これにより、当社は新たな企業ステージに立ち、海外市場やデジタル関連事業など成長領域の拡大を図りました。これらの成功を踏まえ、2nd stageでは「収益性の追求」に重きを置き、既存事業の再評価を行います。
この計画では、低成長または低収益の事業を改善し、資源を最適に配分することで、成長事業への投資をしっかりと進めていきます。2030年に向けて、時価総額1兆円規模を目指すための変革を進めることで、持続可能な成長を実現する計画です。
具体的な数値目標も掲げており、キャッシュカウとされる国内ガス事業からの資金を、高成長な新規事業への投資に振り向けます。また、飛躍的成長を狙った大型投資に際しては、必要に応じて負債を調達し、積極的な経営を行います。
株主への還元についても、配当性向は35%を標準とし、徐々に引き上げる方針を徹底します。累進的な配当制度を導入し、成長戦略と株主還元のバランスを考慮した経営を行っていきます。
さらに、ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みも強化し、カーボンニュートラルを目標に2030年度までに温室効果ガスの排出量を30%削減する計画を立てています。廃棄物のリサイクル率を80%に引き上げることや、水資源の保全においても具体的な削減目標を設定しています。
最後に、社員のWell-beingを実現するための取り組みとして、女性管理職比率を2030年度に15%に引き上げることを目指します。労働災害を減少させるための具体的な数値目標も掲げています。このように、2nd stageは、持続可能な未来を見据えた計画であり、当社の成長を支える重要な施策です。